(仮題)歯科医師の研修について
 厚生労働省医政局医事課長回答 医政医発第87号

【照会事項1】
 救急救命センターにおいて、歯科医師が歯科口腔外科の研修の一環として、歯科
に属さない疾病に関わる診察、点滴、採血、処置及び注射等の医行為を次のように行
う場合の是非について
1)医師の指示の下において、歯科医師自らが行う場合。
2)歯科医師が自ら行わず、看護婦に指示して行わせる場合。

 【照会事項2】
 歯科医師が、歯科に属さない疾病に関して、次のように書類を作成することの是非
について
1)医師の指示の下において又は医師と連名により、診断書、死亡診断書及び処方せ
んを交付すること。
2)死体検案書を医師と連名により交付すること。
3)医師の指示の下において又は医師と連名により、添書・依頼書、指示せん、手術
同意書、輸血同意書及び保険会社等に提出する各種証明書を交付すること。
 


 【照会事項1】について
 一般に、歯科医師が、歯科に属さない疾病に関わる医行為を業として行うことは医
師法第17条に違反する。
 したがって、歯科医師による行為が、単純な補助的行為(診察の補助に至らない程
度のものに限る。)とみなし得る程度を越えており、かつ、当該行為が、客観的に歯
科に属さない疾病に関わる医行為に及んでいるのであれば、医師の指示の有無を問わ
ず、医師法の第17条に違反する。 
 なお、歯科医師が、看護婦に指示して診療の補助を行わせることは、当該指示が客
観的に歯科に属さない疾病に関わる場合には、当該指示自体が、医師法第17条に違
反する。
 
 【照会事項2】について
 一般に、診断書、死亡診断書又は処方せん(以下「診断書等」という。)の交付に
ついては、それが歯科に属する疾病に関わるものである限り、歯科医行為として、歯
科医師が業として行うことは何ら法令に違反するものでない(歯科医師法第17条)。
しかしながら、歯科医師が、歯科に属さない疾病に関して診断書等を交付することは、
医師の指示の有無を問わず、医師法第17条に違反する。歯科医師が医師との連名に
より診断書等を交付する場合も同様である。
 また、歯科医師が検案書を交付することは、疾病の種類を問わず、医師法第17条
に違反する。
 その他の各種証明書についても、歯科に属さない疾病に関する医学的判断を表示若
しくは証明する文書又は医学的判断に基ずく意見を記載した文章である場合、歯科医
師が交付するこは医師法第17条等に違反することとなる。
 なお、手術同意書又は輸血同意書については、事前の説明を前提としているもので
あるが、歯科医師が歯科に属さない疾病に関するものについて、同意を得ることを目
的とした説明を行うことは、医師の指示の有無を問わず、医師法第17条に違反する
ものであることから、当該同意書を交付することも許されない。歯科医師が医師との
連名により当該同意書を交付する場合も同様である。

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