・救急業務等の実施に当たつてのB型肝炎
  感染防止対策の徹底について

           昭和六十二年九月四日 消防救第百十号
           各都道府県消防主管部長あて 消防庁救急救助課長

  標記の件については、これまでにも消毒及び感染防止研究委員会報告
 書を送付(昭和五十九年五月十五日付各都道府県消防主管部長あて消防
 庁救急救助室長通知)し、消防機関がB型肝炎感染防止対策を推進する
 に当たつての参考に供するとともに、本年四月に通知した「救急業務等
 の実施に当たつてのAIDS感染防止対策の確立について」(昭和六十
 二年四月三十日付消防救第三十八号各都道府県知事あて消防庁次長通
 知。以下「次長通知」という。)及び併せて送付した「AIDS感染防止
 対策研究委員会報告書」(以下「報告書」という。)においては、AID
 SはもとよりB型肝炎に対しても適用可能な感染防止対策上のガイドラ
 インを設定し、消防機関等においては、このガイドラインを基本とした
 感染防止対策の確立に努めるべきことについてその周知徹底を図つたと
 ころである。

  ところで、最近、医療従事者の医療機関内感染を疑わせるB型劇症肝
 炎の死亡例が相次いで報道され、国民に不安が広まつている状況にある
 ことから、消防機関においてもあらためてその感染防止対策の実施状況
 について再点検を行い、又は必要な措置を講ずることにより、救急隊員
 がその業務に関しB型肝炎に感染することのないよう、その体制につい
 て万全を期する必要がある。

  ついては、下記事項に留意の上、救急業務等の実施に当たつてのB型
 肝炎感染防止対策をさらに徹底するよう格段のご配慮をお願いする。

  また、管下市町村(消防の事務を処理する一部事務組合を含む。)に対
 してもこの旨周知するとともによろしく御指導願いたい。

      記

 1 消防機関におけるB型肝炎感染防止対策は、次長通知及び報告書を
  基本としてこれを推進すること。

   特に消防学校及び消防機関においては、専門医による講習等を実施
  することにより、救急隊員に対し、健康管理対策及びB型肝炎に関す
  る正しい知識を習得させるとともに、応急処置等を行う場合における
  感染防止方法、救急用資器材及び救急自動車等の消毒方法その他感染
  防止に必要な教育の充実に努めること。

   また、感染のおそれのある事故が発生した場合における事後処理に
  ついては、次長通知・記3(1)〜(4)の記載事項を踏まえ、特に医療機関
  との適切な連絡通報体制及び協力体制を確立しておくこと。

   なお、「昭和五十八年度消毒及び感染防止研究委員会報告書」第三
  感染防止委員会の部分を添付するので参考とされたい。(第三の2(4)
  ワクチンの開発については、すでに開発・製造承認済みである。)

 2 消防機関においては、救急隊員を対象にHBs抗原・抗体検査を実
  施すること。

   なお、これらの検査に要する経費については、特別健康診断費とし
  て本年度より普通交付税において所要の財源措置が講ぜられたこと。

 3 HBs抗原・抗体陰性の救急隊員に対しては、B型肝炎ワクチン(以
  下「ワクチン」という。)をあらかじめ接種すること。

   ただし、ワクチソを接種しても当該救急隊員の体質により十分な抗
  体の獲得が得られない場合もあること。

   このため、当該救急隊員がB型肝炎ウイルスに汚染され、感染のお
  それがあると判断された場合には、十分な抗体価が確認されない限
  り、抗HBs人免疫グロプリン(以下「HBIG」という。)及び必要
  な場合には、ワクチンの投与による予防措置を実施すること.

 4 救急隊員にB型肝炎ウイルス感染のおそれのある事故が発生した場
  合においては、速やかに職制を通じて専門医に相談し、感染のおそれ
  があると判断された場合には、速やか (可能な限り四十八時間以内。
  また、HBs抗原・抗体検査結果の判明後が望ましい。) にHBIGの
  投与を受けること。

   ただし、汚染源がHBs抗原陽性の場合には、さらにワクチンの投与
  を受けること。

   なお、かかる場合におけるHBIGの投与は、地方公務員災害補償
  (療養補償) の対象となるものであること。

 5 消防庁においては、救急隊員に対するワクチン接種に要する経費に
  ついて、来年度普通交付税において所要の財源措置がなされるよう検
  討を進めているところであるので念のため申し添える。

 別添 〔略〕



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