・応急手当の普及啓発活動の推進に関する実施要綱

               平成五年三月三十日 消防救第四十一号
               都道府県知事あて 消防庁次長

〔改正経過〕 平成一一年七月六日 消防救第一七四号

 1 目的
   この要綱は、市町村の消防機関の行う住民に対する応急手当の普及
  啓発活動について、普及講習の標準的な実施方法、応急手当指導員の
  認定要件等必要な事項を定め、もって住民に対する応急手当に関する
  正しい知識と技術の普及に資することを目的とする。

 2 普及啓発活動の計画的推進

  (1) 消防長(消防本部を置かない市町村については、市町村長。以下
   同じ。)は、当該市町村の区域内における人口、救急事象等を考慮し
   て、応急手当の普及啓発に関する計画を策定し、応急手当指導員の
   養成、普及啓発用資機材の配備などを図りつつ、住民に対する応急
   手当の普及啓発活動の計画的な推進に努めるものとする。

  (2) 応急手当の普及啓発活動を推進するにあたっては、消防長は、住
   民に対する応急手当の普及講習の開催、指導者の派遣等を行うとと
   もに、デパート、旅館、ホテル、駅舎等多数の住民の出入りする事
   業所(以下「事業所」という。)又は自主防災組織その他の消防防災
   に関する組織(以下「防災組織等」という。)の要請に応じて、主と
   して当該事業所の従業員又は防災組織等の構成員に対して行う応急
   手当の普及指導に従事する指導者の養成について配慮するものとす
   る。

  (3) 都道府県知事は、市町村の消防機関の行う普及啓発活動が計画的
   かつ効果的に行えるよう必要な指導、助言を行うとともに、指導者
   の養成等に努めるものとする。

 3 応急手当の普及項目
   住民に対する応急手当の普及項目については、応急手当の必要性の
  ほか、心肺蘇生法(傷病者が意識障害、呼吸停止、心停止又はこれに近
  い状態に陥ったとき、呼吸及び循環を補助し傷病者を救命するために
  行われる応急手当をいう。以下同じ。)及び大出血時の止血法を中心
  とする。

 4 住民に対する普及講習の種類
  住民に対する標準的な講習は、次に掲げるものとし、そのカリキュラ
  ム、講習時間等については別表一及び別表二のとおりとする。

   講習の種別    主な普及項目

   普通救命講習   心肺蘇生法(成人)、大出血時の止血法
            対象者によっては、小児、乳児に対する心肺
            蘇生法を加える

   上級救命講習   心肺蘇生法(成人・小児・乳児)、大出血時の
            止血法、傷病者管理法、外傷の手当、搬送法

 5 修了証の交付
  (1) 消防長は、応急手当指導員が指導する普通救命講習又は上級救命
   講習を修了した者に対し、別記様式一又は別記様式三に定める修了
   証を交付するものとする。
  (2) 消防長は、応急手当普及員から申請があった場合は、当該応急手
   当普及員が指導する普通救命講習を修了した者に対し、別記様式二
   に定める修了証を交付することができるものとする。
  (3) 消防長は、修了証を交付したときは、交付を受けた者の氏名及び
   交付年月日等を記録しておかなければならない。
    なお、消防長が必要と認めて再交付をした場合においても同様と
   する。

 6 応急手当指導員の認定等
  (1) 消防機関の行う普通救命講習又は上級救命講習の指導(住民の要
   請に応じて消防機関が指導者を派遣し、普及指導する場合を含む。)
   については、応急手当指導員がこれにあたるものとする。
  (2) 応急手当指導員は、次の各号のいずれかに該当する者のうちから
   適任と認められる者について、消防長が認定する。

   I 次のア又はイに該当する者で別表三に定める応急手当指導員講
    習Iを修了した者。ただし、アに該当する者で、応急手当指導員
    の資格認定を行う時点において、過去一年間に三十時間以上の応
    急手当の普及啓発活動に従事していると認める者については、応
    急手当指導員講習Iを免除することができる。
    ア 救急救命士又は救急隊員の資格を有する者
    イ 消防機関在職中に救急隊員の資格を有していた者

   II 前号以外の消防職員(応急手当の普及業務に関し、消防職員と
    同等以上の知識及び技能を有すると消防長が認める消防団員を含
    む。)又は消防職員であった者で別表四に定める応急手当指導員
    講習Iを修了した者

   III 応急手当普及員の資格を有する者で別表五に定める応急手当指
    導員講習IIIを修了した者

   IV 応急手当の普及業務に関し、前各号に掲げる者と同等以上の知
    識及び技能を有すると消防長が認める者

 7 応急手当指導員の養成

  (1) 消防本部、都道府県(消防学校を含む。)及び消防庁長官が別に指
   定するものは、応急手当指導員の養成に努めるものとする。

  (2) 応急手当指導員養成講習を実施した機関の長は、当該講習の修了
   者が所属する消防本部(修了者が消防職員以外の者であるときは、
   当該修了者の住所地を管轄する消防本部)の消防長に対して、当該
   講習を修了した旨を通知するものとする。

 8 応急手当指導員養成講習の講師
   応急手当指導員養成講習の講師については、努めて医師、看護婦
  (士)、救急救命士又は応急手当指導員の資格を有する者で応急手当
   の指導に関して高度な技能と十分な経験を有するものをあてるものと
   する。

 9 応急手当指導員の認定証の交付
   消防長は、応急手当指導員として認定したときは、別記様式四の応
  急手当指導員名簿に登録したのち、別記様式五の認定証を交付するも
  のとする。
   なお、消防長が必要と認めて再交付をした場合においても同様とす
   る。

 10 応急手当指導員の資格の有効期限
   応急手当指導員の認定(前掲6はIVに定める者に関するものを除
  く。)については、資格認定日から三年(資格認定時に消防機関に在職
  していた者については、消防機関を退職した日から三年)で失効する
  ものとする。ただし、失効前に別表六に定める応急手当指導員再講習
  を受講した者についてはさらに三年間有効とし、それ以降も同様とす
  る。

 11 応急手当普及員の認定等

  (1) 応急手当普及員は、主として事業所又は防災組織等において当該
   事業所の従業員又は防災組織等の構成員に対して行う普通救命講習
   の指導に従事するものとする。

  (2) 応急手当普及員については、次の各号のいずれかに該当する者の
   うちから適任と認める者について、消防長が認定する。

   I 別表七に定める応急手当普及員講習Iを修了した者

   II 次のアからウのいずれかに該当する者で別表八に定める応急手
    当普及員講習IIを修了した者。ただし、ア又はイに該当する者
    で、過去二年以内に消防機関に在職していた者で普及啓発の業務
    に従事していたと認める者については応急手当普及員講習IIを免
    除することができる。

    ア 救急救命士の資格を有する者
    イ 消防機関在職中に応急手当指導員の資格を有していた者
    ウ 消防機関在職中に救急隊員の資格を有していた者

   III 応急手当の普及業務に関し、前各号に掲げる者と同等以上の知
    諭及び技能を有すると消防長が認める者

 12 応急手当普及員の養成

  (1) 応急手当普及員の養成は、消防本部が行うものとする。
  (2) 前掲8は、応急手当普及員養成講習について準用する。

 13 応急手当普及員の認定証の交付
   消防長は、応急手当普及員として認定したときは、別記様式六の応
  急手当普及員名簿に登録したのち、別記様式七の認定証を交付するも
  のとする。
   なお、消防長が必要と認めて再交付をした場合においても同様とす
  る。

 14 応急手当普及員の資格の有効期限
   応急手当普及員の認定(前掲11(2)IIIに定める者に関するものを除
  く。)については、資格認定日から三年で失効するものとする。ただ
  し、失効前に別表九に定める応急手当普及員再講習を受講した者につ
  いてはさらに三年間有効とし、それ以降も同様とする。

 15 認定の取り消し
   消防長は、応急手当指導員及び応急手当普及員(以下「応急手当指
  導員等」という。)が応急手当指導員等としてふさわしくない行為を
  行ったときは、認定を取り消すことができる。

 16 応急手当指導員等の責務

  (1) 応急手当指導員等は、住民に対する普及講習が計画的かつ効果的
   に行えるよう、応急手当に関する知識、技術及び指導方法等につい
   て常に研済に努めるものとする.

  (2) 消防長は、応急手当指導員等に対し、応急手当の知識・技術の維
   持及び救急医療の進歩にあわせた応急手当の普及指導に十分に対応
   できるよう、適宜再教育を行うよう配慮するものとする。

  (3) 消防長は、事業所又は防災組織等が応急手当の講習を行おうとす
   る場合に、応急手当普及員に対し講習内容、講習方法等について必
   要な助言を与え、当該講習が適正に行えるよう指導するものとす
   る。

 17 普及啓発用資機材の整備
   消防長は、当該市町村の実情に応じ応急手当の普及啓発活動に必要
  な蘇生訓練用人形、指導用ビデオ等普及啓発用資機材の計画的な整備
  に努めるものとする。

 18 感染防止上の配慮
   消防長は、住民に対する応急手当の普及講習の実施にあたっては、
  応急手当を行う場合に係る感染防止上の留意事項についても指導を行
  うものとする。また、心肺蘇生法の実技実習を行う場合には、蘇生訓
  練用人形の消毒、滅菌等の措置を行うものとする。

 19 関係機関との連携
   消防長は、住民に対する応急手当の普及啓発活動が効果的に行える
  よう、応急手当の普及業務を実施している他の関係機関との連携協力
  に努めるものとする。

    附 則
 1 この要綱は、平成五年十月一日から施行する。
 2 施行日において、消防本部等が既に住民に対する応急手当の講習又
 は応急手当の普及指導者の養成講習を実施している場合において、そ
 れらの講習がこの要綱に基づく講習と同等以上のものであるときに
 は、別に消防庁長官が定めるところにより、この要綱により実施して
  いるものとみなす。
   附 則〔平成一一年七月六日消防救第一七四号〕
 この要綱は、平成十一年七月六日から施行する。

別表一 普通救命講習
1 到達目標    心肺蘇生法一人法及び大出血時の止血
         法が、救急車が現場到着するのに要する
         時間程度できる.
2 標準的な実施要領  1 一クラスの受講者数の標準は、三〇
            名程度とする。
            2 その場合において、指導者は、応急
            手当指導員等の有資格者を含め三名と
            し、蘇生訓練用人形三体をあてること
            を標準とする。
            3 指導者数は、原則として受講者一〇
            名につき一名をあてるものとする。た
            だし、受講者数及び受講者の応急手当
            に関する知識・技術の程度によって適
            宜増減することを妨げない。

項目        細目            時間

応急手当の重要性  応急手当の目的・必要性等  一時間

応急手当の対象者と
その必要性
          観察の必要性
          気道確保の対象者
          人工呼吸の対象者
          心肺蘇生の対象者
観察要領      救命観察の手順
気道確保要領    口腔内の調べ方
          気道確保要領

(以下表省略)
別表二 上級救命講習
別表三 応急手当指導員講習I
別表四 応急手当指導員講習II
別表五 応急手当指導員講習III
別表六  応急手当指導員再講習
別表七 応急手当普及員講習I
別表八 応急手当普及員講習II
別表九 応急手当普及員再講習



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