・救急自動車に備える資器材について

                昭和五十九年三月二日
                消防庁長官あて 救急業務研究会会長

 当救急業務研究会は、救急自動車に備える資器材(以下「救急資器
材」という。)について、「救急施設整備研究委員会」等の研究の成果を
踏まえ、鋭意検討を行つてきたところであるが、このたび別紙のとおり
結論を得たので報告する。

 今回の見直しは、「救急隊員の行う応急処置等の基準」(昭和五十三年
消防庁告示)に定める応急処置等を円滑に行うために、救急資器材につ
いて、(一)応急処置等に必要な資器材と(二)通信、救出等に必要な資器材と
に区分し、整理したものであり、あわせて最近における科学技術の進歩
により開発、改良された資器材を積極的に取り入れたものである。

 なお、救急業務の質的な充実を図るために、当面の課題として、次の
ことについて積極的に取り組んでいく必要がある。

 1 救急資器材の開発、改良等
   救急隊員の用いる救急資器材については、科学技術の進歩等により
  常に改良が進められており、これらに対応して救急業務の円滑化に資
  する新しい資器材の適時適切な導入を図つていくことが必要である。
   現在救急資器材として採用されている資器材の多くは救急活動の特
  殊性が考慮されておらず、今後、小型化、軽量化あるいは操作の簡便
  化、隊員の活動にみあつた性能への改良など救急活動をより円滑に行
  うための開発、改良を進めていく必要がある。
   また、最近、簡便で正確な観察用資器材が広く一般に普及してきて
  いるところであるが、このような資器材についても、関係機関と調整
  を図りながら、逐次導入を図つていくべきものと考える。
 2 救急隊員の資質の向上
   救急業務の質的な充実を図るためには、救急隊員の資質を向上させ
  ることが重要である。
   このため、救急隊員の資格要件の法定化等の諸施策が講じられてき
  ているところであるが、さらに、(一)「百三十五時間」の資格取得講習
  の教育内容の充実強化と救急隊員の計画的な養成に努めること、(二)救
  急活動の一層のレベルアップを図るため、隊員の再教育あるいは隊長
  教育のあり方を検討すること、(三)指導者の養成、応急処置の指導書、
  救急資器材の使用マニュアル等の教育補助資材の作成等による教育環
  境の整備に努めること、などについて積極的に取り組んでいくべきも
  のと考える。

 3 一般住民に対する応急手当の知識と技術の普及
   救急業務が円滑に行われるためには、住民と救急隊員と医師の三者
  の有機的な連携が必要である。特に一刻を争う傷病者にとつては、現
  場での応急処置の成否がその傷病者の生死につながるものであり、住
  民に対して応急手当の知識と技術の普及を図つていかなけわはならな
  い。このような意味から、消防機関においても住民の行う応急手当の
  知識と技術の普及に協力する必要がある。

 別 紙
   救急自動車に備える資器材一貫表
 1 応急処置等に必要な資器材
分類品名内容等
観察用資器材体温計
検眼ライト
 
呼吸・循環管理用資器材
自動式人工呼吸器一式自動式人工呼吸器、開口器、舌鉗子 舌圧子、エアーウェイ、バイトブロック、 酸素吸入用鼻孔カテーテル、酸素ボンベ
手動式人工呼吸器一式マスクバッグ人工呼吸器等(注)
心肺蘇生用背板 
酸素吸入器一式加湿流量計付酸素吸入装置等(注)
吸引機一式吸引機、吸引カテーテル
創傷等保護用資器材
副子背板、陰圧副子、梯状副子
三角巾 
包帯伸縮包帯、弾性包帯、救急包帯、伸縮性網包帯、さらし布
ガーゼ滅菌ガーゼ、その他のガーゼ
ばんそうこう 
止血帯平ゴム止血帯又は圧力計付止血帯
タオル大、小一組
保温・搬送用資器材担架主担架(ストレッチャータイプ)補助担架(屈折式担架、布担架又は脊椎損傷用担架)
まくら 
敷物 
保温用毛布保温用毛布又はタオルケット
雨おおい  
消毒用資器材噴霧消毒器
その他の消毒器
各種消毒薬
 
 その他の資器材氷嚢・水枕氷嚢・水枕又は瞬間冷却材
臍帯クリップ
はさみ(一組)
ピンセット (一組)
手袋
マスク
膿盆
汚物入
手洗器
洗眼器
その他必要と認められる資器材  
 (注) 自動式人工呼吸器一式に含まれる資器材と重複するものは省略している。

 2 通信、救出等に必要な資器材

分類品名
通信用資器材車載無線機
救出用資器材救命浮輪
救命網
万能斧
その他の資器材救急衣
保安帽
救急かばん
警笛
懐中電灯
その他必要と認められる資器材