・救急救命士の資格を有する救急隊員による救急業務の開始について

平成四年五月十九日 消防救第六十六号
各都道府県消防主管部長あて 消防庁救急救助課長

 救急業務の高度化については、「救急隊員の行う応急処置等の基準の 一部改正等について」(平成三年八月五日付消防救第七七号各都道府県 知事あて消防庁長官通知)等により通知したところであるが、先般、第 一回救急救命士国家試験が実施され、その合格者の発表も目前に迫って いる。

 救急救命士の資格を取得した救急隊員は、除細動等の高度な応急処置 を実施することが可能となるが、そのためには医師による指示体制の確 立など事前の準備を十分に整えることが重要である。

 ついては、貴職におかれては、下記の事項に特に留意のうえ、管下関 係市町村に対し適切な指導等をされ、救急救命士を活用した新たな救急 業務の円滑な実施に遺漏なきを期せられるようお願いする。

      記
1 救急救命士の免許は、救急救命士国家試験に合格した者の申請により、救急救命士名簿に登録することにより行われるものであり、従って、救急救命士としての業務開始は、当該登録を受けた後に行いうるものであるが、業務の開始にあたっては、各消防機関において、あらかじめ次の事項にも十分配意されたいこと。

  1.  救急救命士法施行規則第二十一条に定める特定行為(除細動等の高度な応急処置)の実施に必要な具体的な指示を行う医師を二十四時間にわたって確保し、指示を受けられる体制を確立するため、関係医療機関等と十分協議されたいこと。
  2.  医師(医療機関)と救急救命士(救急隊)との間に、自動車電話 又は心電図伝送システム等を準備するとともに、迅速・的確な情報 連絡が相互に行えるよう情報提供項目、具体的な指示方法に関する 共通の活動基準(マニュアル)等を準備されたいこと。
     なお、消防庁においては、各消防機関の参考に供するため、現在 応急処置別活動要領の作成を進めているところであること。
  3.  救急救命土の資格を取得した救急隊員が新たな救急業務に従事す るまでに、関係医療機関等の協力を得て、特定行為に係わる実技訓 練等の機会が得られるよう格別の配慮をされたいこと。
  4.  新たに実施しようとする応急処置等の具体的な内容、使用する資 器材等について関係医療機関等の理解を得るよう努められたいこと。
2 市町村消防機関における心電図伝送システムの構築、救急救命士に 具体的な指示を与える医師(医療機関)の確保については、貴職にお かれても都道府県衛生主管部局及び医師会等とも十分脇議し、今後に おける救急業務の高度化の推進計画等も勘案し、積極的に指導された いこと。

3 救急救命士の資格を有する救急隊員に対する処遇に関しては、平成 四年度地方財政計画において、他の救急隊員と異なる額の出場手当が 計上されているところであるが、各消防機関においてはこれを指針と して該当救急隊員の処遇改善について適切な対応を図られたいこと。



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