救急業務実施基準について

             昭和三十九年三月三日 自消甲教発第六号
             各都道府県知事あて 消防庁長官

         〔改正経過〕 昭和五一年 三月 消防安第 四八号
                昭和五六年一二月 消防救第  八号
                昭和五九年 四月 消防救第 二二号
                昭和六一年 八月 消防救第 八三号
                昭和六三年 六月 消防救第 六一号
                平成 三年 八月 消防救第 七七号
                平成 五年 三月 消防救第 四一号
                平成一一年 三月 消防救第 入四号
                平成一一年 七月 消防救第一七六号

  市町村の消防機関が行なう救急業務の実施基準を別紙のとおり定めた
 ので、下記事項に御留意のうえ、貴管下市町村をよろしく御指導願いた
 い。
       記
 1 削除
 2 削除
 3 基準第十八条にいう医師の診断結果に基づく所要の措置は、伝染病
  予防法(明治三十年法律第三十六号)第五条に定める清潔方法及び消
  毒方法をいう。
 4 基準第二十条にいう救急記録票等に記入すべき所要事項は、救急事
  故発生年月日、覚知時刻、発生場所、発生原因、傷病者の住所、氏
  名、年令、性別、傷病の部位、程度、医療機関名及び医師等とする。


 5 基準第二十五条に定める消毒実施表には、消毒実施年月日、消毒方
  法、消毒薬品名及び施行者名等を記入するものとする。
 別 紙
    救急業務実施基準
 第一章 総則 (第一条・第二条)
 第二章 救急隊等(第三条−第八条)
 第三章 救急自動車等(第九条−第十一条)
 第四章 救急活動(第十二条−第二十一条)
 第五章 医療機関等(第二十二条・第二十三条)
 第六章 救急自動車の取扱い(第二十四条・第二十五条)
 第七章 救急業務計画等(第二十六条・第二十七条)
 第八章 応急手当の普及啓発(第二十八条)
 第九章 雑則 (第二十九条)


    第一章 総則

   (目的)
 第一条 この基準は、市町村の消防機関が行なう救急業務について、必
  要な事項を定め、救急業務の能率的運営を図ることを目的とする。
   (用語の意義)
 第二条 この基準における用語の意義は、次の各号に定めるところによ
   る。
 一 救急業務とは、消防法(昭和二十三年法律第百八十六号。以下
   「法」という。)に定める救急業務をいう。
 二 救急事故とは、法及び消防法施行令(昭和三十六年政令第三十七
   号。以下「令」という。)に定める救急業務の対象である事故をい
   う。
 三 救急自動車とは、救急業務を行なう自動車をいう。

    第二章 救急隊等

   (救急隊の数)
 第三条 令第四十三条の規定に該当する市町村に置く救急隊の数は、原
  則として次の各号によるものとする。
  一 人口十五万以下の市町村にあっては、おおむね人口五万ごとに一
   とする。
  二 人口十五万をこえる市町村にあっては、三に人口十五万をこえる
   人口について、おおむね人口七万ごとに一を加えた数とする。
   (医師等)
 第四条 市町村長は、救急業務を行なうため医師又は看護婦を配置し、
  若しくは救急自動車にとう乗させるようつとめるものとする。
   (救急隊長)
 第五条 救急隊員(以下「隊員」という。)のうち一人は、救急隊長(以
  下「隊長」という。)とする。
 2 隊長は、上司の命を受け、隊員を指揮監督し、救急業務を円滑に行
  なうようにつとめなければならない。
   (救急隊の編成)
 第六条 消防長は、救急救命士(救急救命士法(平成三年法律第三十六
  号)第二条第二項に規定する救急救命士をいう。)の資格を有する隊
  員及び救急隊員の行う応急処置等の基準(昭和五十三年消防庁告示第
  二号)第五条第二項に規定する隊員をもって救急隊を編成するようつ
  とめるものとする。
   (隊員の訓練)
 第七条 消防長は、隊員に対し、救急業務を行なうに必要な学術及び技
  能を習得させるため、常に教育訓練を行なうようつとめなければなら
  ない。
   (隊員の服装)
 第八条 隊員は、救急業務を実施する場合は、消防吏員服制準則 (昭和
  四十二年消防庁告示第一号)に定める基準に従った救急帽、救急服及
  び救急用の靴を着用するものとする。ただし、安全を確保するため必
  要があるときは、救急帽に代えて保安帽を着用するものとする。

    第三章 救急自動車

  (救急自動車の要件)
 第九条 救急自動車は、道路運送車両の保安基準(昭和二十六年運輸省
  令第六十七号)に定める緊急自動車の基準に適合するもののほか、次
  の各号に掲げる構造及び設備を有するものとする。
  一 隊員三人以上及び傷病者二人以上を収容し、かつ第十一条第一項
   に定めるものを積載できる構造のものであること。
  二 四輪自動車であること。
  三 傷病者を収容する部分の大きさは、次のとおりであること。
   イ 長さ一・九メートル、幅0・五メートル以上のベッド1台以上
    及び担架二台以上を収納し、かつ、隊員が業務を行なうことがで
    きる容積を有するものであること。
   ロ 室内の高さは、隊員が業務を行なうに支障がないものであるこ
     と。
  四 十分な緩衝装置を有するむのであること。
  五 適当な防音、換気及び保温のための装置を有するものであるこ
    と。
  六 その他救急業務を実施するために必要な構造及び設備を有するも
   のであること.
  (高規格の救急自動車の配置)
 第九条の二 消防長は、救急隊員の行う応急処置等の基準第六条第三項
  に規定する応急処置を行うために必要な構造及び設備を有する救急自
  動車を配置するようつとめるものとする。
  (救急自動車の標示)
 第十条 救急自動車の側面には、当該市町村の消防本部名又は消防署名
  若しくは救急隊名を標示するものとする。
  (救急自動車に備える資器材)
 第十一条 救急自動車には、次の各号に掲げる資器材を備えるものとす
  る。
  一 応急処置等に必要な資器材で別表第一に掲げるもの
  二 通信、救出等に必要な資器材で別表第二に掲げるもの
 2 消防長は、救急自動車には、前項に定めるもののはか、別表第三に
  掲げる資器材を備えるようつとめるものとする。

    第四章 救急活動

   (救急隊の出動)
 第十二条 消防長又は消防署長は、救急事故が、発生した旨の通報を受
  けたとき又は救急事故が発生したことを知ったときは、当該事故の発
  生場所、傷病者の数及び傷病の程度等を確かめ、直ちに所要の救急隊
  を出動させなければならない。
   (口頭指導)
 第十二条の二 消防長は、救急要請時に、指令室又は現場出動途上の救
  急自動車等から、救急現場付近にある者に、電話等により応急手当の
  協力を要請し、その方法を指導するよう努めるものとする。
   (搬送を拒んだ者の取扱い)
 第十三条 隊員は、救急業務の実施に際し、傷病者又はその関係者が搬
  送を拒んだ場合は、これを搬送しないものとする。
   (医師の要請)
 第十四条 隊員は、次の各号のいずれかに該当する場合は、すみやかに
  救急現場に医師を要請し、必要な措置を講ずるよう努めるものとす
   る。
  一 傷病者の状態からみて搬送することが生命に危険であると認めら
   れる場合
  二 傷病者の状態からみて搬送可否の判断が困難な場合
   (死亡者の取扱い)
 第十五条 隊員は、傷病者が明らかに死亡している場合又は医師が死亡
  していると診断した場合は、これを搬送しないものとする。
   (関係者の同乗)
 第十六条 隊員は、救急業務の実施に際し、傷病者の関係者又は警察官
  が同乗を求めたときは、つとめてこれに応ずるものとする。
   (災害救助法における救助との関係)
 第十七条 市町村の消防機関が行なう救急業務は、災害救助法(昭和二
  十二年法律第百十八号)が適用される場合においては、同法の規定に
  基づく救助に協力する関係において実施するものとする。
   (感染症と疑われる者の取扱い)
 第十八条 隊長は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関す
  る法律(平成十年法律第百十四号)第六条に規定する一類感染症、二
  類感染症、指定感染症又は新感染症と疑われる傷病者を搬送した場合
  は、隊員及び救急自動車等の汚染に留意し、直ちに所定の消毒を行な
  い、この旨を消防長に報告するとともに、当該傷病者に対する医師の
  診断結果を確認し、所要の措置を講ずるものとする。
   (要保護者等の取扱い)
 第十九条 消防長は、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号) に
  定める被保護者又は要保護者と認められる傷病者を搬送した場合にお
  いては、同法第十九条各項に定める機関に通知するものとする。
   (活動の記録)
 第二十条 隊員は、救急活動を行った場合は、救急活動記録票等に救急
  活動を行った年月日、傷病者の状態、住所、氏名、年令及び性別並び
  に活動概要等所要の事項を記録しておくものとする。
 2 隊員は、傷病者を搬送し、医療機関に引渡した場合は、当該事実を
  確認する医師の署名又は押印を受けるとともに、傷病名、傷病程度等
  について、当該医師の所見を聴し、救急活動記録票等に記録しておく
  ものとする。
 3 隊員は、応急処置等を行うに際し、医師の指示があった場合には、
  当該医師の氏名及びその指示内容を救急活動記録票等に記録しておく
  ものとする。
   (家族等への連絡)
 第二十一条 隊員は、傷病者の傷病の状況により必要があると認めると
  きはその者の家族等に対し、傷病の程度又は状況等を連絡するようつ
  とめるものとする。

    第五章 医療機関等

   (医療機関との連絡)
 第二十二条 消防長は、救急業務の実施について医療機関と常に密接な
  連絡をとるものとする。
 2 消防長は、前項の規定に基づき知り得た医療機関における空床の状
  況等の情報については、必要に応じ、近接する他の消防本部の消防長
  と相互に情報を交換するよう努めるものとする。
   (団体等との連絡)
 第二十三条 消防長は、当該市町村の区域内で救急に関する事務を行な
  っている団体等と救急業務の実施について情報を交換し、緊密な連絡
  をとるものとする。
    第六章 救急自動車の取扱い
   (消毒)
 第二十四条 消防長は、次の各号に定めるところにより、救急自動車及
  び積載品等の消毒を行なうものとする。
  一 定期消毒 月一回
  二 使用後消毒 毎使用後
 2 前項の規定による消毒を効果的に行うため、署所(消防力の基準
  (昭和三十六年消防庁告示第二号)第二条第三号に規定する署所をい
  う。)には、ホルマリンガス消毒器、エチレンオキサイドガス滅菌器等
  の消毒用資器材を備えるものとする。
   (消毒の標示)
 第二十五条 消防長は、前条第一項第一号による消毒をしたときは、そ
  の旨を消毒実施表に記入し、救急自動車の見やすい場所に標示してお
  くものとする。

    第七章 救急業務計画等

   (救急業務計画)
 第二十六条 消防長は、特殊な救急事故の発生した場合における救急業
  務の実施についての計画を作成しておくものとする。
 2 消防長は、毎年一回以上前項に定める計画に基づく訓練を行なうも
   のとする。
   (救急調査)
 第二十七条 消防長は、救急業務の円滑な実施を図るため、当該市町村
  の区域について、次の各号に定めるところにょり調査を行なうものと
  する。
  一 地勢及び交通の状況
  二 救急事故が発生するおそれのある対象物の位置及び構造
  三 医療機関等の位置及びその他必要な事項
  四 その他消防長が必要と認める事項

    第八章 応急手当の普及啓発

   (住民に対する普及啓発)
 第二十八条 消防長は、住民に対する応急手当の普及啓発活動を計画的
  に推進するようつとめるものとする。
     第九章 雑則
   (適用の除外)
 第二十九条 令第四十三条に定める基準に該当する市町村以外の市町村
  が救急業務を行なう場合は、第九条及び第十一条の規定の一部を適用
  しないことができる。

別表第一
 観察用資器材
   体温計
   検眼ライト
 呼吸・循環管理用資器材
   自動式人工呼吸器一式
   手動式人工呼吸器一式
   心肺蘇生用背板
   酸素吸入器一式
   吸引器一式
 創傷等保護用資器材
   副子
   三角巾
   包帯
   ガーゼ
   ばんそうこう
   止血帯
   タオル
 保温・搬送用資器材
   担架
   まくら
   敷物
   保温用毛布
   雨おおい
 消毒用資器材
   噴霧消毒器
   その他の消毒器
   各種消毒薬
 その他の資器材
   氷のう・水まくら
   臍帯クリップ
   はさみ(一組)
   ピンセット(一組)
   手袋
   マスク
   膿盆
   汚物入
   手洗器
   洗眼器
 その他必要と認められる資器材

備考
  自動式人工呼吸器一式には、自動式人工呼吸器、開口器、舌紺子、
 舌圧子、エアーウェイ、バイトブロック、酸素吸入用鼻孔カテーテル
 及び酸素ボンベを含むものとし、手動式人工呼吸器一式及び酸素吸入
 器一式に含まれる資器材と重複するものは共用できるものとする。

別表第二

 通信用資器材
   車載無線機
 救出用資器材
   救命浮輪
   救命綱
   万能斧
 その他の資器材
   保安帽
   救急かばん
   警笛
   懐中電灯
 その他必要と認められる資器材

別表第三

 観察用資器材
   血圧計
   聴診器
   血中酸素飽和度測定器
   心電計
 呼吸・循環管理用資器材
   経鼻エアーウェイ
   喉頭鏡
   マギール鉗子
   ショックパンツ
   自動式心マッサージ器
   半自動式除細動器
   輸液・薬剤セット一式
   ラリンゲアルマスク・ツーウェイチューブ等
 通信用資器材
   心電図伝送装置
   自動車電話
 その他の資器材
   在宅療法継続用資器材
その他必要と認められる資器材

 備考

 自動式心マッサージ器及び心電図伝送装置は、地域の実情に応じて
 備えるものとする。

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