消防組織法


第1章  総  則 (第1条)
第2章  国家機関 (第2条〜第5条)
第3章  自治体の機関 (第6条〜第18条の2)
第4章  雑  則 (第19条〜第26条の3)

  昭和22・12・23・法律226号  
改正平成8     法律 88号  
改正平成11・7・16・法律 87号
改正平成11・7・16・法律102号
改正平成11・12・17・法律156号

第1章 総  則

 〔消防の任務〕
第1条  消防は、その施設及び人員を活用して、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、水火災又は地震等の災害を防除し、及びこれらの災害に因る被害を軽減することを以て、その任務とする。

第2章  国家機関

 〔消防庁〕
第2条  
国家行政組織法(昭和23年法律第120号)第3条第2項の規定に基づいて、総務省の外局として消防庁を置く。
第3条  
消防庁の長は、消防庁長官とする。
第4条  
消防庁は、消防に関する制度の企画及び立案、消防に関し広域的に対応する必要のある事務その他の消防に関する事務を行うことにより、国民の生命、身体及び財産の保護を図ることを任務とする。
 2   
消防庁は、前項の任務を達成するため次に掲げる事務をつかさどる。
  1. 消防制度及び消防準則の企画及び立案に関する事項
  2. 消防に関する市街地の等級化に関する事項(都道府県の所掌に係るものを除く。)
  3. 防火査察(火災の調査を含む。)、防火管理その他火災予防の制度の企画及び立案に関する事項
  4. 火災の調査に係る技術の向上及び火災の調査員の訓練に関する事項
  5. 消防職員(消防吏員その他の職員をいう。以下同じ。)及び消防団員の教養訓練の基準に関する事項
  6. 消防職員及び消防団員の教育訓練に関する事項
  7. 消防統計及び消防情報に関する事項
  8. 消防の用に供する設備、機械器具及び資材の検定に関する事項
  9. 消防に関する試験及び研究に関する事項
  10. 消防施設の強化拡充の指導及び助成に関する事項
  11. 消防思想の普及宣伝に関する事項
  12. 危険物の判定の方は及び保安の確保に関する事項
  13. 危険物取扱者及び消防設備士に関する事項
  14. 消防に必要な人員及び施設の基準に関する事項
  15. 防災計画に基づく消防に関する計画(以下第18条の2において「消防計画」という。)の基準に関する事項
  16. 人命の救助に係る活動の基準に関する事項
  17. 救急業務の基準に関する事項
  18. 消防団員等の公務災害補償等に関する事項
  19. 消防に関する表彰及び報償に関する事項
  20. 消防の応援に関する事項
  21. 災害対策基本法(昭和36年法律第223号)、大規模地震対策特別措置法(昭和53年法律第73号)及び原子力災害対策特別措置法(平成11年法律第156号)に基づく地方公共団体の事務に関する国と地方公共団体及び地方公共団体相互間の連絡に関する事項
  22. 石油パイプライン事業の用に供する施設についての工事の計画及び検査その他保安に関する事項
  23. 石油コンビナート等災害防止法(昭和50年法律第84号)第2条第2号に規定する石油コンビナート等特別防災区域に係る災害の発生及び拡大の防止並びに災害の復旧に関する事項
  24. 国際緊急援助隊の派遣に関する法律(昭和62年法律第93号)に基づく国際緊急援助活動に関する事項
  25. 所掌事務に係る国際協力に関する事項
  26. 前各号に掲げるもののほか、法律(法律に基づく命令を含む。)に基づき消防庁に属させられた事項

第5条  
消防庁に、政令で定めるところにより、国及び都道府県の消防の事務に従事する職員又は市町村の消防職員及び消防団員に対し、幹部として必要な教育訓練を行い、あわせて消防学校又は消防職員及び消防団員の訓練機関の行う教育訓練の内容及び方法に関する技 術的援助をつかさどる教育訓練機関を置くことができる。
第3章 自治体の機関

第6条  
市町村は、当該市町村の区域における消防を十分に果すべき責任を有する。
第7条  
市町村の消防は、条例に従い、市町村長がこれを管理する。
第8条  
市町村の消防に要する費用は、当該市町村がこれを負担しなければならない。
第9条  
市町村は、その消防事務を処理するため、左に掲げる機関の全部又は一部を設けなければならない。
  1. 消防本部
  2. 消防署
  3. 消防団
第10条  
政令で定める市町村は、前条の規定にかかわらず、消防本部及び消防署を置かなければならない。
第11条  
消防本部及び消防署の設置、位置及び名称並びに消防署の管轄区域は、条例で定める。
 2   
消防本部の組織は市町村の規則で定め、消防署の組織は市町村長の承認を得て消防長が定める。
第12条  
消防本部及び消防署に消防職員を置く。
 2   
消防職員の定員は、条例で定める。ただし、臨時又は非常勤の職については、この限りでない。
第13条  
消防本部の長は、消防長とする。
 2   
消防長は、消防本部の事務を統括し、消防職員を指揮監督する。
第14条  
消防署の長は、消防署長とする。
 2   
消防署長は、消防長の指揮監督を受け、消防署の事務を統括し、所属の消防職員を指揮監督する。
第14条の2  
消防職員は、上司の指揮監督を受け、消防事務に従事する。
第14条の3  
消防長は、市町村長が任命し、消防長以外の消防職員は、市町村長の承認を得て消防長が任命する。
 2   
消防長及び消防署長は、政令で定める資格を有する者でなければならない。
第14条の4  
消防職員に関する任用、給与、分限及び懲戒、服務その他身分取扱いに関しては、この法律に定めるものを除くほか、地方公務員法(昭和25年法律第261号)の定めるところによる。
 2   
消防吏員の階級並びに訓練、礼式及び服制に関する事項は、消防庁の定める基準に従い、市町村の規則で定める。
第14条の5  
次に掲げる事項に関して消防職員から提出された意見を審議させ、その結果に基づき消防長に対して意見を述べさせ、もつて消防事務の円滑な運営に資するため、消防本部に消防職員委員会を置く。
  1. 消防職員の給与、勤務時間その他の勤務条件及び厚生福利に関すること。
  2. 消防職員の職務遂行上必要な被服及び装備品に関すること。
  3. 消防の用に供する設備、機械器具その他の施設に関すること。
 2   
消防職員委員会は、委員長及び委員をもつて組織する。
 3   
委員長は消防長に準ずる職のうち市町村の規則で定めるものにある消防職員のうちから消防長が指名する者をもつて充て、委員は消防職員(委員長として指名された消防職員及び消防長を除く。)のうちから消防長が指名する。
 4   
前3項に規定するもののほか、消防職員委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、消防庁の定める基準に従い、市町村の規則で定める。
第15条  
消防団の設置、名称及び区域は、条例で定める。
 2   
消防団の組織は、市町村の規則で定める。
 3   
消防本部を置く市町村においては、消防団は、消防長又は消防署長の所轄の下に行動するものとし、消防長又は消防署長の命令があるときは、その区域外においても行動することができる。
第15条の2  
消防団に消防団員を置く。
 2   
消防団員の定員は、条例で定める。
第15条の3  
消防団の長は、消防団長とする。
 2   
消防団長は、消防団の事務を統括し、所属の消防団員を指挿監督する。
第15条の4  
消防団員は、上司の指挿監督を受け、消防事務に従事する。
第15条の5  
消防団長は、消防団の推薦に基づき市町村長が任命し、消防団長以外の消防団員は、市町村長の承認を得て消防団長が任命する。
第15条の6  
消防団員に関する任用、給与、分限及び懲戒、服務その他身分取扱いに関しては、この法律に定めるものを除くほか、常勤の消防団員については地方公務員法の定めるところにより、非常勤の消防団員については条例で定める。
 2   
消防団員の階級並びに訓練、礼式及び服利に関する事項は、消防庁の定める基準に従い、市町村の規則で定める。
第15条の7  
消防団員で非常勤のものが公務に因り死亡し、負傷し、若しくは疾病にかかり、又は公務に因る負傷若しくは疾病により死亡し、若しくは障害の状態となつた場合においては、市町村は、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより、その消防団員又はその者の遺族がこれらの原因によつて受ける損害を補償しなければならない。
 2   
前項の場合においては、市町村は、当該消防団員で非常勤のもの又はその者の遺族の福祉に関して必要な事業を行うように努めなければならない。
第15条の8  
消防団員で非常勤のものが退職した場合においては、市町村は、条例で定めるところにより、その者(死亡による退職の場合には、その者の遺族)に退職報償金を支給しなければならない。
第16条  
特別区の存する区域においては、特別区が連合してその区域内における第6条に規定する責任を有する。
第17条  
前条の特別区の消防は、都知事がこれを管理する。
 2   
特別区の消防長は、都知事が任命する。
第18条  
前2条に規定するものの外、特別区の存する区域における消防については、特別区の存する区域を以て一の市とみなし、市町村の消防に関する規定を準用する。
第18条の2  
都道府県は、市町村の消防が十分に行われるよう消防に関する当該都道府県と市町村との連絡及び市町村相互間の連絡臨調を図るほか、消防に関し、次に掲げる事務をつかさどる。
  1. 消防職員及び消防団員の教養訓練に関する事項
  2. 市町村相互間における消防職員の人事交流のあつせんに関する事項
  3. 消防統計及び消防情報に関する事項
  4. 消防施設の強化拡充の指導及び助成に関する事項
  5. 消防思想の普及宣伝に関する事項
  6. 消防の用に供する設備、機械器具及び資材の性能試験に関する事項
  7. 市町村の消防計画の作成の指導に関する事項
  8. 市町村の消防の相互応援に関する計画の作成の指導に関する事項
  9. 市町村の消防が行う人命の救助に係る活動の指導に関する事項
  10. 市町村の行う救急業務の指導に関する事項
  11. 消防に関する市街地の等級化に関する事項(消防庁長官が指定する市に係るものを除く。)
  12. 前各号に掲げるもののほか、法律(法律に基づく命令を含む。)に基づきその権限に属する事項
第4章 雑  則

第19条  
市町村の消防は、消防庁長官又は都道府県知事の運営管理又は行政管理に服することはない。
第20条  
消防庁長官は、必要に応じ、消防に関する事項について都道府県又は市町村に対して助言を与え、勧告し、又は指導を有なうことができる。
第20条の2  
都道府県知事は、必要に応じ、消防に関する事項について、市町村に勧告し、市町村長又は市町村の消防長から要求があつた場合は、消防に関する事項について指導し又は助言を与えることができる。 この場合における勧告、指導及び助言は、消防庁長官の行う勧告、指導及び助言の趣旨に沿うものでなければならない。
第21条  
市町村は、必要に応じ、消防に関し相互に応援するように努めなければならない。
 2   
市町村長は、消防の相互応援に関して協定することができる。
第22条  
消防庁長官は、都道府県又は市町村に対し、消防庁長官の定める形式及び方法により消防統計及び消防情報に関する報告をすることを求めることができる。
第23条  
消防庁及び地方公共団体は、消防事務のために警察通信施設を使用することができる。
第24条  
消防及び警察は、国民の生命、身体及び財産の保護のために相互に協力をしなければならない。
 2   
消防庁、警察庁、都道府県警察、都道府県知事、市町村長及び水防法に規定する水防管理者は、相互間において、地震、颱風、水火災等の非常事態の場合における災害防禦の措置に関し予め協定することができる。
これらの災害に際して消防が警察を応援する場合は、運営管理は警察がこれを留保し、消防職員は、警察権を行使してはならない。
これらの災害に際して警察が消防を応援する場合は、災害区域内の消防に関係のある警察の指揮は、消防がこれを行う。
第24条の2  
都道府県知事は、地震、颱風、水火災等の非常事態の場合において、緊急の必要があるときは、市町村長、市町村の消防長又は水防法に規定する水防管理者に対して、前条第2項の規定による協定の実施その他災害防禦の措置に関し、必要な指示をすることができる。
この場合における指示は、消防庁長官の行う勧告、指導及び助言の趣旨に沿うものでなければならない。
第24条の3  
消防庁長官は、地震、台風、水火災等の非常事態の場合において、これらの災害が発生した市町村(以下この条において「災害発生市町村」という。)の消防の応援に関し、当該災害発生市町村の属する都道府県の知事から要請があり、かつ、必要があると認めるときは、当該都道府県以外の都道府県の知事に対し、当該災害発生市町村の消防の応援のため必要な措置をとることを求めることができる。
 2   
消防庁長官は、前項に規定する場合において、当該災害の規模等に照らし緊急を要し、同項の要請を待ついとまがないと認められるときは、同項の要請を待たないで、緊急に消防の応援を必要とすると認められる災害発生市町村のため、当該災害発生市町村の属す る都道府県以外の都道府県の知事に対し、当該必要な措置をとることを求めることができる。 この場合において、消防庁長官は、当該災害発生市町村の属する都道府県の知事に対し、速やかにその旨を通知するものとする。
 3   
都道府県知事は、前2項の規定による消防庁長官の求めに応じ当該必要な措置をとる場合において、必要があると認めるときは、その区域内の市町村の長に対し、消防機関(第9条に規定する機関をいう。次項及び次条において同じ。)の職員の応援出動等の措置をとることを求めることができる。
 4   
消防庁長官は、第1項又は第2項の場合において、人命の救助等のために特に緊急を要し、かつ、広域的に消防機関の職員の応援出動等の措置を的確かつ迅速にとる必要があると認められるときは、緊急に当該応援出動等の措置を必要とすると認められる災害発生市町村のため、当該災害発生市町村以外の市町村の長に対し、当該応援出動等の措置をとることを自ら求めることができる。 この場合において、消防庁長官は、第1項の場合にあつては当該応援出動等の措置をとることを求めた市町村の属する都道府県の知事に対し、第2項の場合にあつては当該都道府県の知事及び当該災害発生市町村の属する都道府県の知事に対し、速やかにその旨を通知する ものとする。
 5   
前各項の規定は、大規模地震対策特別措置法第2条第13号の警戒宣言が発せられた場合に準用する。
第24条の4  
消防機関の職員がその属する市町村以外の市町村の消防の応援のため出動した場合においては、当該職員は、応援を受けた市町村の長の指揮の下に行動するものとする。
第25条  
市町村の消防に要する費用に対する補助金に関しては、法律でこれを定める。
第26条  
都道府県は、財政上の事情その他特別の事情のある場合を除く外、単独に又は共同して、消防職員及び消防団員の教育訓練を行なうために消防学校を設置しなければならない。
 2   
地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の19第1項の指定都市(以下「指定都市」という。)は、単独に又は都道府県と共同して、消防職員及び消防団員の教育訓練を行なうために消防学校を設置することができる。
 3   
前項の規定により消防学校を設置する指定都市以外の市及び町村は、消防職員及び消防団員の訓練を行なうために訓練機関を設置することができる。
 4   
消防学校の教育訓練については、消防庁が定める基準を確保するように努めなければならない。
第26条の2  
消防職員及び消防団員には、消防に関する知識及び技能の習得並びに向上のために、その者の職務に応じ、消防庁に置かれる教育訓練機関又は消防学校の行う教育訓練を受ける機会が与えられなければならない。
第26条の3  
この法律の適用については、市町村の消防の一部事務組合又は広域連合は、市の加入するものにあつてはこれを一の市とみなし、その他のものにあつてはこれを一の町村とみなし、町村の全部事務組合又は役場事務組合は、これを一の町村とみなす。

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