霞が関通信

第24回日本救急医学会救急隊員部会

学術総会の開催について

自治省消防庁救急救助課

(プレホスピタルケア 9:3 21号 64-66, 1996)


1 はじめに

 日本救急医学会救急隊員部会学術総会は、本年は北里大学病院長の大和田隆会長のもと、10月7日(月)から9日(水)の3日間にわたりパシフイコ横浜(神奈川県横浜市)にて開催されることになっている。

 去る6月14日には、日本救急医学会総会プログラム委員会が開催され、本年の学術総会準備状況とプログラム編成について審議されたところである。

 そこで、昨年の第23回の開催状況とともに、これまでに決まっている第24回の救急隊員部会学術総会プログラム(案)について紹介することとする。

 

2 昨年の第23回日本救急医学会救急隊員部会学術総会の開催状況

 昨年は、福岡県福岡市のシーホーク&リゾートにおいて久留米大学教授の加来信雄会長のもと第23回日本救急医学会が開催され、救急隊員部会学術総会については、865名の参加者があり、盛大な学会となった。

 事務局が実施しているアンケートによれば、学会に参加した者の多くは現場の救急隊員(全参加者の82%)であり、うち救急救命士は56%、救急標準課程・救急II課程修了者が39%となっていた。また、参加した消防職員の所属している消防本部は、政令指定都市の職員が15%、人口30万人以上の本部の職員が15%、人口10万人以上30万人未満の本部の職員が28%と最も多く、人口5万人以上10万人未満の本部の職員が20%、人口5万人未満の本部の職員が16%となっていた。このように、参加者は、救急救命士や救急標準課程・救急II課程修了者などが多かったが、参加者は人口規模に関わらず数多くの消防本部から参加していた。学会参加回数を見ると、初めての参加であった者が62%と最も多かったが、2度目の参加であった者が14%、3度目が13%、4度目以上も11%であり、何度も参加する熱心な消防職員も増加してきている。

 このように、救急隊員部会学術総会への参加は、本部としての参加に加え、個人的な参加者も多くなってきた。日本救急医学会では、救急隊貝部会への参加のほか、医師部会や看護部会に自由に参加が可能であることから、医師部会に参加する者や看護部会に参加する者も大変多く見受けられた。今後も、幅広い知識と技術を学び取り、救急業務の高度化に向けて消防職員の資質の向上が望まれる。

 

3 第24回のスケジュール (案)

 本年は、医師部会、看護部会と救急隊員部会との三部会合同プログラムとして特別講演が組まれている。テーマを「救急医療におけるバイオエシックス(生命倫理)−生死を誰が決める? 患者・家族・医療チームの在り方を問う−」として、木村利人(早稲田大学・ジョージタウン大学)氏の講演をいただくこととなっている。

 シンポジウムは「救急業務の高度化のための医療機関との連携強化について−教育訓練・医師の指示体制・中小都市における地域的課題等について−」と題して、司会に鈴木忠教授(東京女子医科大学救命救急センター)を迎え、演者に澤田祐介教授(東海大学救急医学)、行岡哲男助教授(杏林大学救急医学)等によって討議していただく予定である。

 教育講演は、3題として、一つは、「救急業務を取り巻く諸課題について」として東京消防庁救急指導課、尾崎研哉課長による講演が行われる予定である。もう一つは、「代表的な救急疾病と観察上の留意点」として、国立病院東京災害医療センターの辺見弘副院長により、救急隊が搬送する代表的な疾病についてご紹介いただくとともに、救急隊員に必要とされる観察や留意点についてご講演いただくこととなっている。最後に、「集団救急事故への対応策について」として、筑波メディカルセンター救命救急センターの大橋教良部長より、集団救急事故発生時に消防磯閑が行うべき対応策についてご講演いただくこととなっている。

 また、パネルディスカッションにおいては、「ヘリコプターによる救急搬送事例」として、司会に川崎医科大学救急医学の小濱啓次教授を招いて、ヘリコプター搬送を依頼した医師と、実際にヘリコプター搬送を行った消防職員、ヘリコプター搬送の傷病者を受け入れた医師らによって、実際に救急搬送された事例についてディスカッションを行う予定となっている。

 一般演題(各消防機関から応募のあった演題)については、全国から62題採用されており、各演者からそれぞれの内容について発表していただくこととなっている。

 

4 さいごに

 昨年は福岡市で865名という大変多くの参加者があったことから、本年も昨年同様多数の参加による盛大な学会となることが見込まれる。本学会では、救急隊員部会以外にも医師部会や看護部会へ自由に参加することができる。本学会以外ではあまり聞くことのできない専門性の高い演題や多種多様な演題を聞くことができるため、救急隊のみならず広く消防職員に参加していただきたいと考える。

 そして、参加していただいた消防関係者それぞれが、自らの資質の向上を図るとともに、本学会で得たことを普段の救急業務に反映させ、一人でも多くの尊い生命を守れるよう活躍していただきたい。