霞が関通信

救助活動現場における救助隊と救助隊等との連携について

自治省消防庁救急救助課

(プレホスピタルケア 3:1 4号 37-38, 1990)


 救急隊員の皆さん、昼夜を分かたぬ救急活動、本当にご苦労様です。

 皆さんは、救助活動現場において、要救助者に対する救命又は悪化防止を図るため、救助隊やポソプ隊と連携活動を行う機会が数多くあると思います。

 消防機関の行う救助活動が他の機関に比べて優位な点は、災害の実態に応じて、救助隊のみならず救急隊、ポンプ隊を含めた複数の消防部隊により実施されることにあることから、救助隊とこれら部隊との効果的な連携について配意していくことが必要です。

 特に、悪化防止、救命処置の観点から、救急隊との連携は重要であると考えます。

 消防庁においては、平成元年度に「各種災害別救助活動実施要領検討委員会」を開催し、救助活動原則及び各種災害別救助マニュアルについて検討を行いました。委員会の構成は 次のとおりです。

 そこで、今回はこの中から、救助活動現場における救助隊と救急隊との連携要領及び救助現場において、救急隊としても理解しておく必要のある救助活動上の留意事項等について、述べてみたいと思います。

 なお、本文中意見にわたる部分は、筆者の個人的見解であることをあらかじめお断りしておきます。

 

1 救出に当たっての救助隊と救急隊との連携

  1. 要救助者に生命の危険が迫っているときは、救急処置と並行して救出作業を行う。

  2. 要救助名の傷病程度が比較的軽微であるけれども、容態の悪化が予想されるときは、救急処置を必要な範囲で行い、その後、救出作業を行う。

  3. 要救助者の傷病程度が比較的軽微であり、かつ容態の悪化が予想されないときは、救出作業を行い、その後に必要な救急処置を行う。

  4. 周囲の状況や要救助者に作用する障害により、要救助者の生命等に危険が切迫しているときは、救出作業を優先する。

 

2 要救助者に対する主な応急処置

  1. 意識・呼吸・循環障害

      気道確保、酸素投与、人工呼吸、胸骨圧迫心マッサージ

  2. 外出血

      止血

  3. ショック

      ショック体位

  4. 骨折

      副子等による固定

  5. 創傷

      ガーゼ、包帯等による被覆

  6. 熱傷

      熱傷部位の保護

  7. 体位管理

      要救助者の悪化防止及び苦痛の軽減に適した体位

  8. 保温

  毛布等による保温

 

3 救助活動現場における留意事項

  1. 要救助者の特異な心理状態に配意し、力づけや励ましの言葉をかけ、要救助者を安心させ、落ち着かせる。

  2. 救出を行うに当たり、要救助者の移動、動揺は最小限にとどめ、悪化防止、苦痛の軽減を図る。

  3. 要救助者の観察は、救出作業の進展と並行し、継続して行う。

  4. 有毒ガスの中にある要救助者には、呼吸保護器具を装着し、呼吸の確保を行う。

  5. 救助作業による要救助者の受傷危険が予測されるときは、毛布等による要救助者の保護を行う。

  6. 要救助者が、自分のけがや出血状況等を見ることにより、精神的に不安定な状態に陥ることを防ぐため、状況に応じて本人に目隠しをする。また、隊員の言動から要救助者に受傷状況等を察知されないよう、十分注意する。

  7. 救助活動に伴う感染防止に十分配慮する。

  8. 要救助者を野次馬や報道関係者にさらすことのないように、配意する。

 

A 委員会の構成         (五十音順)

氏    名

職         名

大 井 久 幸

消防大学校副校長

岡 崎   哲

横浜市消防局警防部長

腰 高 信 明

消防大学校講師

小 袋   太

北九州市消防局警防部長

木 挽 孝 紀

消防庁救急救助課長

小 山   貞

東京消防庁警防部長

松 川 良 一

(委 員 長)

全国消防長会事務局長

安 田   正

東京消防庁消防学校長(全国消防学校長会長)

山 田 隆 夫

名古屋市消防局消防部長

吉 田 美 次

(恒 遠 滋)

大阪市消防局警防部長

B 専門委員会の構成       (五十音順)

氏     名

職          名

稲 垣   博

名古屋市消防局消防救助隊長

鎌 倉 弘 幸

東京消防庁救助課長

河 内 輝 雄

横浜市消防局救急救助課長

北 出 正 俊

消防庁消防課課長補佐

腰 高 信 明

消防大学校講師

櫻 井 信 好

東京消防庁消防学校校務課長

関 口 和 重

消防大学校教授

多 比 良 文 夫

北九州市消防局警防部主幹

椿   隆 助

大阪市消防局救急救助課長

本 田 行 世

(委 員 長)

全国消防長会事務局次長

松 永 初 巳

消防庁救急救助課専門官兼理事

C 協力委員

氏   名

職          名

大八木 規 夫

科学技術庁国立防災科学研究技術セソター

第3研究部長

林 田 正 吉

社団法人日本自動車工業会 安全対策部会

衝撃吸収分科会長

D 専門委員会の作業班

テーマ

担   当(五十音順)

救助活動の基本原則

河内輝雄 椿隆助

腰高信明

櫻井信好

土砂崩れ事故

大八木規夫 櫻井信好

河内輝雄  椿 隆助

腰高信明

機械事故

稲垣 博  多比良文夫

鎌倉弘幸

関口和重

自動車事故

稲垣 博  多比良文夫

鎌倉弘幸  林田正吉

関口和重

電車・列車事故

稲垣 博  多比良文夫

鎌倉弘幸

関口和重

※ アンダーラインは代表者