器材紹介

手動式吸引ポンプ

編集室

(プレホスピタルケア 9:1 19号 54-55, 1996)


はじめに

 鼻腔や口腔から体液などを吸引するための吸引ポンプは、従来電動式のものが主流であった。電源のない所や在宅医療などでは繁雑な操作の電動式ポンプに替わるものとして、手動式吸引ポンプは有効である。また救急隊員が現場に駆けつける際に応急処置用のものとして、手動式吸引ポンプは携帯に便利である。

 しかしながら吸引力については電動式に比ベると不安が残るという声もしばしば耳にする。

 この度、米国で開発され、海外でその吸引力や感染防止の点で評価の高い手動式吸引ポンプが国内に導入されたのでここに紹介したい。

 

概要

 写真2 は成人用のセットを示したものであるが、新生児から成人まであらゆる種類の吸引カテーテル(市販のもの)を接続することが可能である。患者により適切なカテーテルを選択し挿入後、カテーテルを引きながらハンドルをボンピングし、体液などを吸引する。

 陰圧はハンドルをボンピングする回数に応じて圧力調節を行う。

 懸念されていた吸引力については、独特のボンピングシステムの考案により、最大時には電動式ポンプと同等(500mmHg 以上)の吸引圧を簡単に得ることができるという。

 平均してボンピング1回で−100mmHg、続く2回目で−400mmHg、3回目で−550mmHgの陰圧が得られる。

 吸引が終わった後、カテーテル先端を引き戻しコンテナボトルにキャップをして廃棄する。感染防止の配意がされているうえにこのボトルは検査のための粘液採取用コンテナともなる。

 本体は消毒液による消毒またはEOガスによる滅菌で次の現場へ携行できる。

 また、先端に直径(内側)約10mmのカニユーラを取りつけることにより、気道異物の除去に使用することも検討中で、現在必要な手続を行っているところである。

 

注意

 コンテナボトルは成人用で218ml の体液を吸引できるが、本体の感染を防ぐために、記してある量以上は貯留しないよう留意する。

 この量を超えてしまった場合には前に述べた方法で滅菌を行うこと。ただし、EOガス滅菌は140度未満で行うという注意書もある。

 

まとめ

 以上、吸引力と感染防止に優れ簡単な操作で使用できる手動式吸引ポンプ、「レス−Q −バック』を紹介した。その簡便さにより、救急現場において有効な器材の1つとして今後注目を集めるかもしれない。

 記事作成に関して株式会社医療福祉研究所のご協力に感謝する。