この原稿は救急医療ジャーナル'99第7巻第1号(通巻第35号)「TOPICSトピックス」のページを収載したものです。もしホームページを希望されない記事や訂正を希望される部分がありましたら、 web担当者までご連絡下さい。

地域や家庭で起きた事故事例を集め、一般市民向けの小冊子を作成

東京消防庁志村消防署  東京消防庁志村消防署 (板橋区)では、昨年9 月、同署管内の家庭で実 際に起きた事例を中心 に、暮らしの中で起こる さまざまな事故の予防策 をアドバイスする小冊子 『身近に起きる救急事故 から身を守る』を発行し た。

 日常生活の中にはさまざまな危険が 潜んでおり、ちょっとした不注意や油 断が事故を招いてしまうことも多い。 同署救急係長の坂本幸夫さんは、冊子 を作った理由について、
「当署の救急出動件数は年々増加して いますが、地域や家庭で起こる事故の 中には、知識さえあれば未然に防ぐこ とができたのではないかと思われるケ ースがたくさんあります。そこで、そ のような事故を地域住民の皆さんに紹 介することにより、身の周りの危険を 再認識し、日頃の安全対策を見直して いただこうと、小冊子にまとめること にしました」 と語る。

 題材にした事例は全部で41例。同署 赤塚出張所の救急隊員9人が中心にな って、管内の事例だけでなく、隊員が 他署で経験したケースなども加えた中 からピックアップした。

 小冊子は、これらの事例を「子ども の事故」「若者の事故」「お父さん、 お母さんの事故」「お年よりの事故」 に分けた4部構成とし、最後に「のど に物がつまった時の手当」「やけどの 手当」「心肺そ生法」など、応急手当の ポイントを6項目に分けて紹介してい る。読みやすく、またわかりやすくす るため、事例は1ページに一つとし、 事故の状況を説明する短い文章と大き なイラストに、「救急隊員からひとこ と」のアドバイスをつけた。

 絵の得意な隊員が描いたというイラ ストはユニークでユーモアにあふれ、 思わぬ災難にあった人々の様子をよく 伝えている。個々の事例に付けられた タイトルもまた、「飛んで耳に入る夏 の虫」「指を噛んだビデオデッキ」 「過信は禁物

 自慢のからだ」など楽 しく、かつ事故のポイントを押さえた 的確な表現となっている。

 同署では、この小冊子を2千部作成 し、救急フェアや応急手当訓練などの 行事を通して、住民に配布している。 反響はよく、「このような事故が実際 に起こっていると知り、安全対策の大 切さを再認識した」「具体的でとても 参考になった」などの感想が寄せられ ているという。また、新聞やテレビで も取り上げられ、200〜300件の 問い合わせがあったとのことで、坂本 さんは、反響と今後の応急手当普及啓 発活動について、
「今回の小冊子の作成と配布を通し て、家庭内の事故や安全対策に対する 関心や不安を持つ人々が数多くいると いうことを、改めて認識しました。当 署では昨年10月より、赤塚出張所にお いて、地域住民の皆さんがいつでも自 由に心肺蘇生法(CPR)や各種応急 救護法の訓練ができるように、24時間 体制で常設の応急手当教室を開設して いますが、今後とも、住民の皆さんが 気軽に消防を訪れ、防災や救急に関す ることを相談できるような環境づくり を進めていきたいと考えています」
 と話している。

 小冊子の問い合わせは、同署の救急 係または指導調査係まで(電話03−5398−0119)。


漫画の大型看板で救命講習の受講を呼び掛ける

−神奈川県・津久井救急隊派出所  昨年11月24日、神奈川県・津久井郡 広域行政組合消防本部の津久井救急隊 派出所に、救命講習の受講を呼び掛け る6コマ漫画の大型看板が登場した。 同派出所の救急隊員らがストーリーを 考え、プロの漫画家が原画を作製、大 きく引き伸ばして救急車車庫のフェン スに取り付けたものである。

 同消防本部では、救急活動の初動体 制を強化するため、昨年4月、管内で 人口の密集している津久井町に、高規 格救急車1台、救急隊員8人(救急救 命士4人、II課程修了者4人)を配置 して救急隊派出所を開設したが、これ を機に応急手当普及啓発活動にも力を 入れようと、救急救命士の関戸大司さ んを中心に、隊員全員でさまざまなア イデアを出し合った。その結果生まれ たのが、今回の看板の案である。

 救急救命士の諏訪本修三さんは、看 板を作製した経緯について、 「救急車車庫のフェンスが道路からよ く見える場所にあるので、救命講習会 の周知を図るような看板を掲示するこ とにしたのですが、誰にでもわかりや すく、また多くの人の興味を引くには、 ストーリー仕立ての漫画がよいのでは ないかと考えました。

 ですが、ストーリーは自分たちで考 えるとしても、絵を描くにはどうして もプロの助けが要ると思 い、知り合いの漫画家・桜 多吾作さんに相談したとこ ろ、地域のためになるなら と、ボランティアで協力す ることを快く引き受けてく れました」
 と話している。

 漫画は6コマで、タイト ルは「CPA救命大作戦」。 相模湖や丹沢の渓流などア ウトドアを楽しめる場所が 多い津久井の地元らしさを 出すため、管内にある早戸 川で釣りをしていた老人と 孫の青年、そのガールフレ ンドに緊急事態が発生す る、というストーリーになって いる。

 3人で釣りを楽しんでいたと ころ、老人が急に倒れてしまう が、近くで釣りをしていた男性 が駆けつけ、「津久井消防署で 救命講習を受けているから、ぼ くにまかせて」とCPRを実施 し蘇生に成功、救急隊に引き継 ぐ。最後は、孫が元気になって 退院する祖父の姿を見ながら、 「おれも救命講習を受けて、け がや病気の人を助けるぞ」と決 心する場面で締めくくられてい る。

 桜多さんの原画は昨年10月末 に完成。近くの小学校にあるコピー機 を借りて、これを縦約90mX横約130cmに引き伸ばし、隊員が休憩時間な どを利用して約1か月間で色を塗っ た。

 掲示した看板の評判は上々で、諏訪 本さんは反響について、 「すぐそばに信号があるので、信号待 ちをしている人、とくに近くの小学校 に通う子どもたちが楽しそうに見てい る姿をよく見かけます。

 昨年末に実施した上級救命講習でも 受講者数が27人に増加しましたが、受 講者が増えた理由の1つは、この看板 ではないかと考えています」

 と話している。

 同派出所ではこのほか、事故や応急 手当に関する地域住民の知識の向上を 図るため、毎月1回、救急に関する情 報を提供する看板「救急豆知識」を作 製し、本署と城山分署、同派出所の3 か所に掲示している。これは、隊員が ワープロやパソコンで作ったA3判の プリントを縦約80mX横約90mに拡大 してパネルに張った手作りの看板であ る。少しでも関心を集めることができ るように、作製に当たっては毎回、隊 員全員でアイデアを出し合いながら工 夫を重ねており、熱中症、食中毒、脳 血管障害など季節等を考慮したテーマ の下、病態や応急手当のポイントがわ かりやすく示されている。

 「救急豆知識」については、「とても よい内容なので、プリントにして配布 したい」「いつも看板を見て参考にし ているが、コピーをもらうことはでき ないか」などの声が寄せられたため、 最近では、隊員が休憩時間などを利用 してコピー、色づけしたものを、郡内 の4町の役場や診療所などを通して住 民に配布している。

 同消防本部では、今年度の成果を踏 まえつつ、来年度以降も応急手当普及 啓発活動を充実させていく方針で、消 防長の角田重雄さんはこの点につい て、
「当消防本部では5年前から救命講習 を実施しており、これまでに約1500人 が受講していますが、1人でも多 くの人に受講していただくためには、 関係機関の協力が欠かせません。

 すでに、自治会のご協力を得て救命 講習を実施し成果を上げていますが、 今年は、警察官、また役場の職員を対 象にした救命講習会を実現することが できそうです。そのほか、当地域はア ウトドアを楽しむ人の事故も多いの で、キャンプ場の関係者を対象にした 救命講習なども実施していきたいと考 えています」

 と話している。


北米の大規模EMSシステムが記録文書をペーパーレス化

−現場でのペン入力型コンピュータの使用が実現  シカゴ、フィラデルフィア、ヒュー ストン、トロント、セントポールなど、 北米の大規模EMSプロバイダーのい くつかは、文書のペーパーレス化を進 めている。バラメディックやEMTは、 ペンと紙による記録の代わりに、ペン 入力のできる携帯型コンピュータに傷 病者データを直接入力する。このコン ピュータには手書き文字認識機能も付 いているが、ほとんどのデータは、ア イコンのクリックかメニューの選択に よって入力することができる。

 ペーパーレス化の傾向が見られるよ うになったのは、ほんの数年前のこと である。ヒューストン郊外にあるサイ プレスクリークのEMSでは、1996年4月 からペン入力によるコンピュ ータシステムを導入したが、その際、 富士通の携帯端末(Stylistics500)12台 とウェスティックモービルソリューシ ョン社のソフトウェアを使用した。

 「電子的なデータのやり取りによっ て、コストの削減が可能になり、研究 やサービスの評価に必要なデータをよ り多く集めることができるようになり ました」

 と、パラメディックのスーパーバイ ザーであり、サイプレスクリークのデ ータ収集プログラムマネージャーであ るアレン・シムズ氏は述べている。

 35人の従業員と200人余りのボラ ンティアスタッフを抱えるサイプレス クリークでは、ハードウェアを、より 性能のよいWindows95搭載のものに 変え、EKGのデータを、心電図モニ ターから携帯型コンピュータに直接送 ることができる赤外線方式のインター フェイスを追加導入する予定である。 シムズ氏によれば、 「近隣のEMS機関でも、ペン入力型 コンピュータシステムを取り入れてい るところが増えつつある」
 とのことである。

 「ヒューストン地区ではサイプレス クリークのお陰もあり、大口の受注が どんどん入るようになりました」

 と話すのは、リエスティック社マー ケティングデイレクターのマイク・レ イマン氏。ウェスティック社のシステ ムを採用している大規模なEMS機関 は、シカゴ(59台)、卜ロント(87台)、 カリフォルニア州ペイカーズフィール ド(60台)など。このぺン入力型コン ピュータシステムは大きな機関で使用 した方がより効果的だが、小規模の機 関でも導入を始めている。

 1997年7月、アメリカンメディ カルレスポンス(AMR)は、カリフ ォルニア州コントラコスタ郡で、25セ ットのALSユニットにウェスティッ ク社製のソフトウェアを搭載したハス キー社のペン入力型コンピュータを導 入し、その有効性を評価したが、AM Rで試験プログラムをマネジメントし ているキムバリー・ウッド氏は、次の ように述べている。

 「データの検索に多少の困難はあり ましたが、システム導入の滑り出しに は満足しています。大量のデータを素 早く収集でぎるし、サービスに問題が ないか、患者に対するケアを改善する にはどうすればよいかなどについて検 討したいときには、すぐにデータをチ ェックすることができます。

 パラメディックたちは初め、ペン入 力型コンピュータの使用に抵抗してい ましたが、使い慣れたいまでは、シス テムがダウンして紙とペンを使わなけ ればならなくなると、不満の声が上が るほどです」

 ルイジアナ州最大の救急サービスで あるアカディアンアンビュランスは、 今年、富士通の携帯端末(Stylistics1200) を35台購入し、さらに115台を段階 的に導入する予定である。

 また、アカディアンは、アトランタ に拠点を置くパッドスタット社と共同 でソフトウェアを開発する予定だが、 アカデイアンのプログラミングサービ スマネージャーのボブ・リチャードソ ン氏は、 「システム導入にはコストがかかりま すが、長い目で見ればコスト削減につ ながると思います」

 と述べている。たとえば、このシス テムの導入によって、データの再入力 の必要がなくなるため、事務作業人員 を削減することができ、そのぶん現場 のプロバイダー増員が可能になるとい う具合である。

 ルーラル/メトロもまた、ニューユー∃ ーク州のシラキューズで、ペン入力型 のコンピュータを救急車に搭載し、運 用を開始するが、医療事業部長のマイ ケル・サッチャー氏は、 「シラキューズでは、1993年から 95年にかけて、ペン入力によるコンピ ュータシステムを実験的に導入しまし たが、維持費が高いために断念したと いう経緯があります。今回は請求書の 作成や派遣システムにもつなげること になったため、コスト面の問題はかな り解決されると思います」

 と述べている。

 アカディアンもまた、2〜3年前に ペン入力型コンピュータシステムを試 みたとき、いくつかの問題に突き当た った。実際、早期にペン入力型コンピ ュータシステムの導入を検討した多く のEMSシステムは、運用に失敗して いる。というのも、当時のシステムは、 現場で使うにはハードウェアが壊れや すく、またソフトウェアにも問題があ り、手書き文字認識機能があるとはい うものの、使うには骨の折れる代物だ ったからである。

 これに対して、新製品は、ハードウ ェアも丈夫なものになり、文字認識の 精度や操作性も向上している。この点 について、セントポール消防署のEM Sチーフであるディブ・ハイゼンガ氏 は、 「2〜3年前に、ある業者が現場で使 えないような製品を売り出したため に、ペーパーレス化という考え方その ものが、だめになってしまうところで した」
 と話す。

 セントポール消防署でも初期のペン 入力型コンピュータシステムを試して みたが、結果は思わしくなかった。ハ ード、ソフトの両方が失敗作で、シス テムが動かなくなってしまったのであ る。

 「もし、われわれがあのシステムを 現場に持ち込んでいたら、ペン入力型 コンピュータ導入の可能性を断つこと になっていたでしょう」(ハイゼンガ 氏)。

 同署では、最近、13台の富士通の携 帯端末を購入。今回は、地元のオープ ン社に、セントポール消防署独自のソ フトウェア開発を依頼した。新システ ムが使えるようになれば、救急隊員の 記録のペーパーレス化やデータ収集以 上のことができるようになる。たとえ ば、このシステムには、クリック一つ で通報の正確な場所を示す地図や、消 防署の医療プロトコルが含まれてい る。また、プロバイダーは、デジタル カメラで撮影した現場写真を、直接コ ンピュータに送ることもできる。

 さらに、新システムでは、請求書の 発行が省力化され、集金も効率的に行 われるようになった。

 「請求書作成は民間会社に2〜3% の割増料金を払って委託しているので すが、その代わりに、私どものハード ウェアやソフトウェアの整備のために 投資をしてもらっているので、市の財 政には負担がかからないのです」(ハ イゼンガ氏)。

 別の請求書発行会社であるロックヒ ードマーチン社も、ヒューストンの新 プログラムに投資しており、11月1日 までに、ヒューストン消防署内のALSユニット 32台に、EMS用ソフトウェアをインストールしたペン入力型コ ンピュータを導入する予定である。

 同署の携帯端末では、請求書発行と 集金の効率化はもちろんのこと、救急 要請に関する情報の受信、セルラーモ デムを通じての患者のケアレポートの 蓄積、ファクスの送・受信等も可能で ある。

 同社ではすでに、フィラデルフィア でも同様のプログラムを運用してお り、ニューオーリンズにも導入する予 定である。

 近い将来、ルーラル/メトロでは、 より小さいサイズのコンピュータを用 いるようになるだろう。

 ルーラル/メトロ

 オーランドは、 救急隊員のポケットに収納可能なサイ ズのペン入力型コンピュータ(USロ ボティクスのパームパイロット)の試 行中だが、 「これには、10件のEMSレポートが 蓄積でき、さらに品質保証部門のコン ピュータにデータをダウンロードし、 請求書発行システムにも転送が可能で す」

 と、ルーラル/メトロ オーランド の品質保証コーディネーターのアンド リユー・ポット氏は述べている。 (『EMS INSIDER 1998年11月号より、訳/林香代子)


助けられた感謝の気持ちを込めて「救急隊の歌」を贈る

−東京都国分寺市  昨年10月5日、東京都国分寺市に住 む元中学・高校校長の木村正さんが、 救急隊にお世話になった感謝の気持ち を込めて、『救急隊の歌』を作詞、友 人で、音楽教師だった山本雄二郎さん が作曲し、ピアニストで声楽家の篠塚 みどりさんが独唱したテープを、東京 消防庁国分寺消防署に贈呈した。

 9月中旬、木村さんの家族がけがを したが、国分寺消防署救急隊の迅速で 的確な対応と医療機関の適切な治 療で無事に回復した。このときの 救急隊の対応に心を打たれた木村 さんは、感謝の気持ちを何とかし て救急隊の人々に伝えたいと思 い、『救急隊の歌』を作詞したと のことである。

 「けが人が出たとき、突然のこ とに気が動転してしまい、正直い って何もすることができませんで した。とにかくすぐに救急車を呼 ばなければと思い、119番通報 したところ、救急隊が駆けつけて くれ、テキパキと的確な処置をし てくれました。大変にありがたく、同 時に彼らの手際のよさにとても感動し ました」(木村さん)。

 幸い、家族は大事に至ることなく順 調に回復。木村さんが救急隊員にお礼 をいうと、 「皆さん、『これが仕事ですから』と、 大変謙虚におっしゃるのです。私はこ の控えめな心掛けにもまた感動いたし まして、救急隊と市民との関係を、単 に救急医療サービスを提供する側と受 け取る側ととらえ、救急隊の世話にな るのは当然という関係で終わらせては いけないと思いました。そのため、私 が抱いている感謝の気持ちについて も、その率直な思いを、何とかして伝 えなくてはならないと思ったのです」。

 そんなとき、知人から、小平市の応 急救護訓練の集会でのあいさつを頼ま れたことも、歌を作る大きなきっかけ となった。

 実際の救急現場に遭遇したものの、 何もできなくてオロオロするだけだっ た自分が、応急手当の普及活動の場で あいさつすることを心苦しく思った木 村さんは、せめて救急隊の活動につい てきちんと学んでおこうと、東京消防 庁の救急システムや活動について、国 分寺消防署に問い合わせをするなどし て学習した。

 「このときにも、国分寺消防署はて いねいに対応してくれまして、私はま た感動しました。救急隊の方々は忙し い仕事の合間に、地域の応急手当普及 活動の場などにも顔を出して下さいま す。ですから、私たち市民の側も事務 的に救急車に出動してもらい、用が済 めばそれで終わりというのではなく、 もっと真心を込めた対応をしたいと思 つたのです。

救急隊の歌
 作詞 木村 正
 作曲 山本雄二郎

 いのち

一、生命は重し地球より
 救急隊はいち早く
 二十四時間休みなし
 アンビュランス
 アンビュランス
 今日も行く

二、世界に誇る東京の
 救急隊はきびきびと
 一一九番よどみなし
 アンビュランス
 アンビュランス
 今日も行く

三、災害こわし我が地域
 救急隊の来る前に
 皆で協力助け合い
 アンビュランス
 アンビュランス
 今日も行く

 アンビュランス
 アンビュランス
 今日も行く

 そこで、救急隊のことを一人でも多 くの人々に身近に感じてもらいたいと 思い、他の人々にも呼び掛けて、救急 隊について思っていることを川柳にし たりしました。ですが、そのうちに、 川柳より詩の方が、より的確に、救急 隊の方々に対する私たち市民の思いが 表現できるのではないかと思うように なったのです」(木村さん)。

 こうして生まれたのが、"救急隊は いち早く
 二十四時間休みなし
 アン ビュランス
 アンビュランス
 今日も 行く"という『救急隊の歌』である。

 「この歌で表現したかったことは二 つです。一つは救急隊への感謝の気持 ちであり、もう一つは救急隊の活動内 容を一人でも多くの人に知ってもらう ことです」

 と話す木村さんは、 「今後は、さらに一歩進んで、市民一 人ひとりが災害や事故に対する応急処 置や予防法を身につけることが大切だ と思います」

 と新たな活動への取り組みにも意欲 的である。 一方、『救急隊の歌』を贈られた国 分寺消防署では、 「一生懸命やれば、きちんとこたえて くれる人がいることを実感することが できて、大変うれしく思いました。地 道な活動を続けていれば報われること を励みに、今後も頑張っていきたいと 思っています」(警防課赤崎博人さん)
 と話している。

 『救急隊の歌』は、昨年11月11日に 国分寺市で行われた「防災のつどい」 のセレモニーで、署員や市民に披露さ れ、木村さんには、同署から感謝状が 贈られた。


安全なダイビングの実現に向けて『安全潜水を考える会』が発足

 昨年の11月19日、東京医科歯科大学 (東京都文京区)で、ダイビングの事 故を防ごうと『安全潜水を考える会』 の第1回研究集会が開催された。当日 は、医学、ダイビング指導団体、ダイ ビングサービス、海上保安庁など、ダ イピングの安全に広くかかわる人たち に加えて、多数の一般ダイバーが参加 し、活発な討論が行われた。

 同会の世話人代表である東京医科歯 科大学医学部の眞野喜洋教授は、今回、 新たに『安全潜水を考える会』を発足 させたことについて、 「一昨年開催された『安全潜水を考え る会』国際シンポジウムに出席した人 たちから、民間レベルで安全なダイビ ングについて考える会を開催してほし いという要望が出されたことがきっか けです。これまでは、医学、ダイビン グの指導団体、ダイビング関連用具の メーカー、一般ダイバー等は、それぞ れ別個に安全潜水に関する会を開催し ていました。しかし、ダイビングの安 全性について、より広い視点からトー タルに考えていくためには、さまざま な立場の人が同じ場に集まり、自由に 意見を交換することが必要だと考えた のです。

 また、ダイビングの安全性に関する 研究発表は、従来、主として専門の学 会でしか行われていませんでしたが、 この会では、一般ダイバーにも広く参 加してもらい、それぞれの立場からテ ーマを募ってダイビングの現状や問題 点、課題解決の方法などを考えていき たいと思ったのです」
 と話している。

 日本ではここ数年、レジャーとして ダイビングを楽しむ一般ダイバーの数 が増加しているが、それに伴い、ダイ ビングによる事故も増えている。

 ダイビングの事故には、潜水病など の特有な疾患も多く、重症の場合には 死に至ることも少なくない。そのため、 ダイビングによる事故を予防し、ある いは万が一のときに、適切な応急処置 を行うことができるようにするには、 ダイバー一人ひとりが正しいダイビン グの技術を修得すると同時に、応急処 置の方法を身につけることが大切であ る。しかし、こうしたダイビングの安 全性にかかわる知識や技術は、まだあ まり普及していないのが現状である。

 実際、財団法人日本海洋レジヤー安 全・振興協会から1996年に出され た「潜水事故の分析」によると、年齢 別では、25歳〜29歳の事故者がもっと も多く、また、事故者のダイビング歴 では、1年未満のビギナーが全体の5 割を占めている。

 「潜水事故は、発生率から見ればゲ ートボールと同じくらいに低いのです が、いったん事故が起こると、死に至 ることが少なくありません。そのため、 事故を予防するには、初心者の頃から、 常に安全のことを考え、事故予防の心 構えや知識、技術を身につけるなどし て、安全面での意識向上を図っていく 必要があると思います」(眞野教授)。

 第一回研究集会のプログラムは、5 つのセクションより成り、「ダイビン グスポットの安全性の向上とトラブル 対策」「水中通話装置」「ケープダイ ビング中、レギュレータのホースが破 裂」「海難救助の活動について」など 10のテーマについての発表と討論が行 われた。

 眞野教授は、研究集会の反響と今後 の展開について、 「年に2回は会を開催してほしい、東 京以外、とくに関西方面でも開催して ほしいといった、積極的な声が寄せら れています。また、今回は、ダイバー は土・日曜日が忙しいだろうからと考 えて平日に開催したのですが、次回は ぜひ土・日曜日に開催し、十分に時間 をかけて議論をしたいなどの要望も届 いています。

 したがって今後は、年2回の研究集 会開催の方向で考えていきたいと思っ ています」  と話している。

 また、同会では、第一回研究集会の 記録を4月に出版する予定で、今後は さらに一般ダイバーからの発表も積極 的に取り上げていきたいとのことであ る。

 入会希望、記録希望者は、東京医科 歯科大学医学部保健衛生学科の眞野喜 洋教授へ。TEL03(5803)5336、FAX03(5803)0153。


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