この原稿は救急医療ジャーナル'96第4巻第4号(通巻第20号)「NETWORK救急救命士ならびに救急隊員の会から」のページを収載したものです。もしホームページを希望されない記事や訂正を希望される部分がありましたら、 web担当者までご連絡下さい。

愛媛救友会通信

竹村武士(愛媛救友会会長)

誕生

1995年9月、愛媛県における救急救命士の就業前病院研修の指導にあたられた医師から、「医療関係者を含めたプレホスピタル・ケアに携わる人たちが一緒に勉強でき、集える会があればいいのに・・・」と言われたことをきっかけに、同年10月、県下の救急救命士など有志8人が当会の発起人会を作りました。その後、県下の消防本部、県・市医師会の承諾を得て、救急告知病院や、その他県下のプレホスピタル・ケアに携わる団体等に会員募集の書類を送付するとともに、医師会会長等には代表者数人が説明して回り、その意図をくんでいただきました。

 愛媛県は東・中・南の三つの地区に大別され、「伊予の国」の「予」をそれぞれ付けた名称で呼ばれています。医療側も同様で、三次救急医療施設として救急救命センターが、東予に1,中予に2,南予に1の合計4カ所あります。今回われわれの活動は、それらのセンター長、副センター長等にもご賛同いただくとともに顧問としてお迎えすることができました。

 そして、さまざまな職種の人々の集まりによつ手探りの状態ではありましたが、今年の2月25日に「愛媛救友会」と称して誕生することができました。「一人でも多くの人を助ける」ことをスローガンに、救急救命に関する知識の習得および技術の研さんのための症例研究会の開催、会員間の情報交換、そして親睦をを図ることを目的として、あくまでプライベートな会として発足したのです。

 発足式は、県医師会館において、会員96人が参加して行われました。会則決議、役員選出の後、会員による「救急救命士運用から今日まで」、県交通消防課の「消防防災ヘリコプターの運用について」、県立中央病院の「救急救命センター14年間のDOA症例と今後の問題点」などの記念講演に続き、団らんの親睦会へと移り、盛会のうちに終了しました。

活動

 

  1. 役員等:会長1人、副会長2人(会長、副会長は東予、中予、南予から各1人とする)、運営委員5人、事務局2人、会計監査2人で構成するとともに、顧問として10人の医師をお迎えすることができました。

  2. 会員等:会員数は270人。県下の全消防本部からの入会を含め、その内訳は、県消防学校職員、救急告示病院等の医師・看護婦、自衛隊・海上保安部の救護・救難等の職員、バイスタンダーCPRの指導員(日本赤十字社支部職員、日赤ボランティア指導員−各学校養護教諭、スポーツ指導者、警察官、会社員、看護婦、消防職員等)と職種も様々で、「救命の四つの輪」に携わる人たちが集える会ができました。これは、いま全国で結成されている救急救命士会等の中で、「目標とされている会」ができたのではないかと自負しています。なお、会費は年会費等で2千円としました。

展望

 当会の活動については、会員などの職種を考えて、相互の理解を深めるため、会員の代表者にはそれぞれの組織、業務・活動内容問題点や症例の発表を、顧問の先生方にはそれぞれの医療圏における経過と今後の課題についての講演と発表の助言をしていただきながら進めていきたいと思っています。そこで、さる8月3日に宇和島リージェントホテル・サプライホールにおいて、第2回愛媛救友会(宇和島大会)を開催しました。将来は会員からの要望を多く取り入れ、真剣な症例研究等の中に、和やかな親睦会も盛り込み、創意工夫をしながら楽しい活動を続けていきたいと思っています。

 いままでは皆、組織の中の敷かれたレールの上を歩きながら、立ち止まったり走ったりしてきました。それが昨年の阪神・淡路大震災後、大規模災害や集団救急事故への対応として、組織間の「縦横のつながり」が叫ばれるようになり、危機管理体制の一環として、緊急消防援助隊の結成や近隣消防本部との相互応援協定が締結され、合同訓練も行われてきました。このような状況においては、組織間の形式的なつながりだけでなく、平素からの組織の枠を越えた個人的なつながりあ大切ではないかと思います。もちろん組織内の「和」もまた重要です。

 同じ思いを持った者が集まるのは楽しいことです。しかし、自分のアンテナをいろいろな方向に張り巡らせ、抜け駆けするぐらいの気持ちがなければ進歩はないと思います。そういった意味での自己研さん、コミュニケーションの場としての「会」にしていきたいと思っています。

 本誌第18号で「インターネットに救急・災害医療情報ホームページ誕生」という記事が紹介されました。このホームページは、当会の顧問であり運営委員でもある愛媛大学医学部救急医学教室の越智助教授が開設されており、当会の活動内容も掲載されています。全国の救急救命士会などからの情報もお待ちしております。

おわりに

 当会発足に際し、国公立の救護・救難・救急関係機関、県・市医師会、医療関係機関、各消防本部の皆様方には、会の趣旨にご賛同、ご支援いただきましたことをこの場をお借りしてお礼申し上げます。これからも県下の「救命の輪(和)」を一層大きくすることともに、より強固にして救命率向上のために貢献できる会にする所存ですので、ご支援、ご鞭撻をお願いいたします。そして、この和が四国に、日本に、アジアに、世界に広がっていくことを願っております。


第5回京都府救急救命士会総会報告

出店知之(京都府救急救命士会会長)

はじめに

 1996年5月18日。京都府医師会館4階会議室において、第5回京都府救急救命士会総会を開催しました。思い起こせば’94年2月に第1回総会を25人程度で開催してから早くも2年の歳月がたち、毎回、参加者が増え、今回は大会議室に立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。

内容

 京都府救急救命士会総会は、毎年春と夏の2回開催しており、春については、セミナー色の濃い内容となっています。今回は、まず京都府立医科大学麻酔科の細川豊史助教授に専門家の立場から、「蘇生における理論と実際」と題した基調講演をいただき、その後、京都市と京都府下の救急救命士が実際の活動事例を発表しました。

 発表内容については、成功事例だけでなく今後の活動の参考となる検討事例を積極的に取り入れることが特色となっています。今回は、長時間活動の中で特定行為を行ったという内容の発表があり、今後の活動の参考となりました。

 その後は京都府医師会救急委員会委員の中野博美医師が座長となり、指示医師と指示を受ける側の救急救命士との懇談に移りました。この時間は、救急救命士と日頃は顔を合わすことなく電話を通じて指示を出していただいている医師とが十分なコミュニケーションを図ることを目的としています。

 そして懇談の最後に、当会の発足時に大変ご尽力をいただいた繁本清美医師から、当会の今後の運営と救急救命士の教育の充実に関して全面的にバックアップする、と力強いご発言をいただき閉会しました。

 終わりに

 当会は、発足当時より京都府医師会のバックアップにより運営してきました。運営資金も総会の当日に参加した方からの協力金で賄われています。また、講師や助言者の先生方にはボランティアで参加をお願いしており、会員や先生方の救急救命にかける熱意で現在に至っています。京都市消防局の救急担当職員にもプライベートの立場で爽快に参加していただいていることから、総会は府下の救急救命士の自己研さんと情報交換の場となっています。

 救急救命士制度が発足してから早くも4年の歳月がたちました。この歳月が明日に向けての時間であると信じて日々の活動を律していくことが大切です。

 現在の私たちに課せられていることは、救急救命士制度が本当に人々の大切な生命を守る制度であると誰もが納得するような活動を積み重ねていくことです。そのためには、一人ひとりが自己研さんと自助努力をおこなわなければなりません。その手助けに当会がなればと願い、今回の報告を終わらせていただきます。


第3回兵庫県下救急救命士会総会報告

正井 潔(兵庫県下救急救命士会会長)  さる5月21日、第3回兵庫県下救急救命士会総会が神戸市救急救命士養成所において、約100人の会員と約20人の賛助会員の出席の中、行われました。

 今回の総会での決議事項の概要は次の通りです。

  1. 1995年度の事業は、本誌18号でもお知らせしたように、7回の研修会を行いましたが、すべて教育講演を中心としたものでした。’96年度も5回の研修会を計画していますが、今年度からは会員の研究発表の機会も十分に取り入れることになりました。
  2. ’96年度から、会報を発行することになりました。この会報は、研修会の結果や会員から募集した原稿を掲載することとし、肩の凝らない自由な発表の場にしていきたいと思います。また、会報を発行することにより、当会を全員参加型の回にしていきたいと思います。
  3. 設立当初は100人足らずだった会員数も、今年度末には300人を超える予定となりました。そこで、、年会費を6千円から3千円に引き下げることにしました。
  4. その他に細則の作成、役員選出方法の確立など、会の運営がスムーズに行えるようにしました。

 以上が総会の決議事項ですが、総会の最後には、賛助会員を代表して、兵庫県下消防長会会長(神戸市消防局長)の園部氏から、「自由に、そして活発に会を運営して欲しい」との趣旨の祝辞をいただきました。

 また、総会後には近くのホテルで懇親会を開催し、新たに賛助会員として入会していただいた兵庫県防災監の斉藤氏から、「兵庫県の危機管理を統括する私にとって、皆さんが自主的な自己研さんに励んでおられることを心強く思います」との祝辞をいただき、会員一同心強く思った次第です。

 このように多数の方々から応援をいただき、’96年度もより一層充実した会を運営していきたいと思います。


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