この原稿は救急医療ジャーナル'96第4巻第3号(通巻第19号)「NETWORK救急救命士ならびに救急隊員の会から」のページを収載したものです。もしホームページを希望されない記事や訂正を希望される部分がありましたら、 web担当者までご連絡下さい。

富山県下救急救命士会通信

武田和正(富山県下救急救命士会会長)

 同じ志を持つ仲間が研さんし合い、救急救命活動の向上を目指そうと、1995年9月9日、救急医療に携わる者にとって意義深い「救急の日」に、富山県下救急救命士会は発足しました。富山県では、’96年1月末現在までに、22人の救急救命士が誕生し、県下で救急救命活動を行っています。

 ここで、当会が発足に至るまでの経緯について説明したいと思います。

 まず最初は、1995年3月25日の富山県下救急隊員研修会の終了後、富山県下の救急救命士(16人)が一同に会し、情報交換会が設けられました。席上では、現場活動の苦労話や、自己研さんの仕方など、救急救命士が抱える問題について情報交換がなされ、現状では、個々に勉強や活動をしていても限界があるとの意見が多数を占めました。

 そして誰からはなしに、「自己研さんの場」、「情報交換の場」として、「救急救命士会」を作ろうではないかとの提案がなされ、この日を機に結成の声が一気に高まったのです。その後、同年7月15日に、救急救命士会の設立準備委員会を開き、名称を「富山県下救急救命士会」と内定し、結成に向けて会則等の作成作業が進められました。

 記念すべき9月9日には、三次医療機関である富山県立中央病院の副院長・藤村光夫先生、同救急救命センター部長・石川忠夫先生、開催地である富山市の消防長をお招きして設立総会を開催し、「富山県下救急救命士会」(会員16人)がスタートしました。

 会員の対象者は、救急救命士の資格を有する者で富山県内に勤務する消防職員、救急救命士の資格を有する看護婦等で入会を希望する者とし、会員相互の親睦と、個々の資質の向上を図り、救急救命活動の向上発展に寄与することを目的としています。

 当会の事業は、

  1. 会員の研修に関すること
  2. 会員の親睦、情報交換に関すること
  3. その他、当会の目的を達成するために必要なこと
 の3点です。

 このうち研修会については、年間4回程度の開催を計画しており、これまでの活動としては、以下の2回を実施しました。

 今後も、このような研修会等を実施しながら、常に新しい知識や技術を取り入れ、勉強していけるような体制づくりを進めていきたいと考えています。

 当会が、今後取り組んでいかなければならない目標、課題は、各会員が研さんしながら、地域救急医療の発展に貢献、努力していくことはもちろんのこと、医療機関との連携を密にしていくことであると考えています。

 また現在、課員は消防職員だけですが、看護婦そして医療関係者が一体となったコ・メディカルの「会」となれるよう、少しずつ幅を広げていき、少しでも救急隊員のレベルアップを図り、救命率の向上を目指していきたいと考えます。

<連絡先>

〒939
富山県富山市今泉191−1
富山消防署 庶務救急課内 富山県下救急救命士会
TEL 0764−93−4141、93−4228
FAX 0764−93−5665


神奈川県救急救命士会からの報告

倉持日出雄(神奈川県救急救命士会会長)

 本誌第18号”インフォメーション”のコーナーで紹介した「喘息患者に対する呼吸アシスト法」は、4月8日、11日の両日に行われ、120人以上の救急隊員が参加して、「救急現場から病院収容まで、喘息患者に何ができるのか」をテーマに研修会が開催された。

 席上では、酸素の投与量、搬送体位、その他の救急処置について話し合われたが、喘息重積発作の傷病者に実施されている救急処置で、酸素投与については意見が大きく二分された。

 それは、カニュレ・フィスマスク(リザバー付きも含む)を使用し補助呼吸については、マスクバッグ(リザバー付きも含む)ジャクソンリーズ等を使用して低濃度酸素から徐々に酸素濃度を上げていく方法を推奨する意見と、喘息は一時的な発作なので、CO2ナルコーシスの心配はないとし、高濃度酸素を投与すべきであるという意見の二つであった。

 結果的には、傷病者にCOPD等の既往がなければ、高濃度酸素を投与してよいのではないかとの結論に達した。

 喘息患者は呼気ができないため、CO2を排出させる方法を、昨年10月の「救急救命士再研修(救急救命センター)」中に、呼吸療法士の宮川先生にご指導していただき、救急現場で実際に喘息患者に実施したところ、よい結果が出たため、今回の研修でも取り入れさせていただいた。

 今回、用手による呼吸アシスト法を研修して、早速、喘息患者に実施した複数の救急隊からは、「患者さんが、すごく楽ですと言ってくれた」、「搬送先の病院から血液ガス検査結果がよかった(CO2の数値が少ない)と言われた」との報告を受けている。このため、一人でも多くの救急隊員にこの方法を覚えてもらえるよう、現在、研修会等の実施を検討している。

 さらに、この日の研修では、シミュレーション人形を使用し、高度救命処置(3点セット)の技術交換、咳を取り出すためのバイブレーションおよびスキュージング法についても研修した。


第4回救急救命士中央地区会総会報告

河原克巳(救急救命士中央地区会会長)

 さる4月20日、東京都港区の麻布セミナーハウスにおいて、第4回救急救命士中央地区会総会が行われました。

 例年通り、事業報告、事業計画、会計報告と総会は進み、新役員の選出および会則の改正が議決されました(詳細は会報第2号に掲載)

 今回の総会を通して、「やはり、救急救命士の集いだ」と感じることが多くありました。それは、総会の途中でも、話題が救急活動の内容や新しい情報になると、本題の総会議事を忘れて、議論の的が救急活動等に集中し、自分が知らない情報、新しい情報を納得いくまで話し合い、自分のものにしようとする姿勢がたびたび見られたためです。

 医療の世界は、日進月歩で変わってきています。救急救命士も医療従事者の一員として、さまざまな研修会や医学セミナー、病院実習等に参加し、医学書等を通じて新しい知識・技術を身につけなければなりません。そして、いままでに学んだことを見直して、地域住民の健康に寄与しなければならないことも再確認しました。

 なお今回の総会では、参加者の意見がまた一つまとまりました。それは、われわれ救急救命士が主体となり、会を運営していかなければならないということです。

 研修会や会報作成等にあたり、先生方の玉稿やご講演は、われわれにとって非常に重要なものです。しかし、会の主体は救急救命士であり、われわれがの会報やわれわれの研修会の構築に努めなければならないのです。

 これはとても当たり前のことですが、非常に難しいことだと思います。されど、一歩一歩前向きに進んでいけば必ずや可能であると信じます。


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