この原稿は救急医療ジャーナル'96第4巻第1号(通巻第17号)「NETWORK救急救命士ならびに救急隊員の会から」のページを収載したものです。もしホームページを希望されない記事や訂正を希望される部分がありましたら、 web担当者までご連絡下さい。

和泉市救急救命士会通信

加藤一徳(和泉市救急救命士会会長)

 和泉市救急救命士会設立の経緯について説明します。

 当市では、毎年9月に和泉市医師会役員および管内救急告示病院と消防本部との救急懇談会を開催しており、1992年の救急懇談会の席上で、救急救命士会設立について提案したところ、満場一致でご賛同をいただきました。そして、設立に向け作業を進めた結果、翌年の’93年3月2日の吉日に設立総会を開催して、「和泉市救急救命士会」と命名、発足するに至りました。

 発足当時の会員資格は、救急救命士の国家資格を有し、和泉市に居住又は勤務する者で、会の目的に賛同する者となっていました。しかし、発足後1年を経過した頃、近隣の消防本部や医療機関に所属する救急救命士から当会の活動を高く評価していただき、入会を希望する声が上がったのです。そのため、和泉市医師会の理事会に入会資格の範囲拡大を図っていただくとともに、役員会議で検討の上、総会に図り1994年6月1日から、入会資格を近隣の消防本部や、医療機関に属する救急救命士にまで広げることができました。

 その結果、会員数は倍増して、現在では、消防関係が9人、医療関係機関の看護士が9人、看護婦が23人の合計41人の構成で活動しています。

 事務局は、和泉市消防本部警備課に置き、和泉市医師会と事務局の助成金および会員の会費で運営しています。また顧問として、和泉市医師会長の田中久米夫先生と、和泉市消防本部の消防長一ノ瀬喜廣氏、参与として和泉市医師会役員の先生方と和泉市消防本部の管理職に後援いただくと同時に、会長1人と副会長2人、監査2人、会計1人が2年間の任期で会を運営しています。

 当会の目的は、会員間の情報交換、事例研究、勉強会等を通じて、救急救命士の資質、技術の向上を図り、地域医療に貢献することであり、年間5回の各種行事を開催しています。

 年間行事は、4月に総会と会員間の情報交換、7月に三次医療機関の施設見学、9月に「消防救急展」と称して、大手スーパーの一角で買い物客をターゲットにした応急手当普及啓発を行うほか、血圧測定、看護婦(士)の範囲内で健康相談等の実施、12月に医師を講師にお迎えしての講演会と忘年会を開催しています。

 そして、翌年の2月には勉強会として、消防側、病院側の救急症例事案を発表し、時には医師にアドバイスをいただきながら、会員間でさまざまな問題点を検討しています。

 当会の特徴は、医療関係機関の看護婦(士)が会員の3分の2以上を占めていることから、会の活動を通じて、消防側の実情や考え方などが病院側に伝わるため、救急搬入等に深いご理解をいただき、医療関係機関との連携体制の確立が図られているという点だと思います。

 今後もこのような活動を続けながら、常に新しい技術や知識の取り入れ、自己研さんできるような体制づくりを進めながら、会員が興味を持ち、楽しみながら参画できるような和泉市救急救命士会を目指していくつもりです。

 そして、この特徴ある会員構成を活かしながら、消防と医療機関のさらなる連携体制の強化に向けて精進するとともに、少しずつでも救急隊員のレベルアップを図り、助けられる生命を確実に助け、救命率の向上に貢献していきたいと考えています。

 連絡先:和泉市消防本部警備課内 和泉市救急救命士会
 TEL:0725−41−0119
 FAX:0725−45−5156


第4回京都府救急救命士会総会報告

出店知之(京都府救急救命士会会長)  昨年11月18日、京都府医師会館において、第4回京都府救急救命士総会が行われました。今回の総会では、前回からの提案事項であった会則の決定が行われた後、教育講演1題、症例3題が発表されました。

 教育講演では、荒巻馴三医師((財)京都府社会福祉事業団心身障害者福祉センター附属リハビリテーション病院)に「脊椎損傷のプライマリーケアと救急救命士の役割」についてお話いただきました。

 症例発表では、奏功事例のみでなく、今後、検討を要する症例が提起されたと同時に、今回初めて、プレホスピタル・ケアから院内経過に焦点を当てた症例が佐藤敬子看護婦(京都第一赤十字病院・救急救命士有資格者)から発表され、当会がより高い医学ステージでの学術検討会に近づいた感がします。また発表の際には、スーパーバイザーとして出席いただいた京都府医師会の先生方から、貴重な意見をいただくことができました。

 また今回は、オブザーバーとして、京都市消防局業務課・係長をはじめ、各消防署の救急係長等の参加を得ることができました。もちろん、谷村救急担当理事を筆頭に、府下の救急医療現場で活躍中の医師にも多数お越しいただき、貴重な意見を聞くことができました。

 参加した救急救命士も前回を上回っただけでなく、救急救命士を目指す救急隊員の参加も見られ、府下の救急医療を牽引していくコ・メディカルスタッフが一堂に会した会合であったと言っても過言ではないでしょう。

 会の最後には、救急救命士指示医師と救急救命士との意見交換会が行われ、両者がひざを交えた貴重な時間を持つことができました。この意見交換会は、医師の協力により実施していますが、一刻を争う救急現場では医師からの細かい指導を仰ぐ機会の少ない私たち救急救命士にとって、勉強になると同時に、「救急救命士が医療従事者の一員である」という心を養うことのできた時間として、大変有意義なものでした。

 救急救命士有資格者は、その資格におぼれることなく、自ら努力し、日々、研さんすることが求められていると思います。府下の救急救命士一人ひとりが、このことを深く意識し、地道な努力を重ねることで、コ・メディカルスタッフの一員として、本当に社会に認められることにつながると考えています。


第3回救急救命士中央地区会研修会の結果報告について

河原克巳(救急救命士中央地区会会長)  昨年11月18日に、救急救命士中央地区会の第3回研修会が、東京都港区の麻布セミナーハウスにて開催されました。今回は、講師として、大谷篤先生(前・東邦大学医学部教授)と吉田竜介(日本医科大学附属病院救急救命センター)っをお招きし、有意義な時間を過ごすことができました。

 研修は、ラウンドディスカッションと教育講演の2本立てで行われました。前年のラウンドテーブルディスカッションでは、労働基準法の改正による女性の職域拡大で誕生しつつある女性救急隊員のこと、湘南ACLS、失敗症例等について、積極的に話し合いが行われました。

 教育講演では、吉田先生にプレホスピタル・ケアの現状などについてわかりやすき解説していただき、大谷先生には、輸入感染症と今後の救急のあり方についてご後援をいただきました。両先生には、非常に熱心なご講義をいただき感謝しております。

 過去2回の研修会を振り返ると、今回が一番、参加人数が多い上、看護婦さんも参加されたため、会場に花が咲いたように感じられたほどでした。会場に集まった会員の中からは、「まだ運用開始していないので不安である。すでに運用開始している消防本部の救急救命士の生の声を聞け、情報が得られたので非常に参考になった」という声も聞かれました。

 また最近、救急救命士会に入会される方々の傾向をみると、消防機関以外の方が増えていることがわかります。以上のことを総合的に考えても、救急救命士会及び研修会の必要性を再認識した一日でした。

 現在のところ、年1回の研修会ですが、顧問の先生方をはじめ、皆様にご指導ご協力をいただいて、今後、より一層充実した研修会を計画せねばならないと実感しました。


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