この原稿は救急医療ジャーナル'95第3巻第1号(通巻第11号)「救急救命法律講座」のページ を収載したものです。本シリーズのホームページ収載にご協力をいただ きました厚生省健康制作局に深謝申し上げます。

救急救命法律講座 11


「救急救命士養成学校等の講師になりたい」  私は看護婦の国家資格を有し、救急センターの手術室(脳外科を含む)で働いて いました。

 結婚、出産後、ここ数年は主婦として家庭におりますが、第5回救急救命士国家試 験、さらに、日本救急蘇生普及協会主催の初級救急士実技検定試験にも合格しました 。昨年は、愛知県医師会の医療秘書学院に通学して、文部省認定秘書資格を取得いた しました。

 今後、救急救命士養成学校の講師になりたいと希望していますが、どのようにすれ ば希望がかなえられるか、お教えください。ちなみに、学歴は私立大学法学部法律学 科3年中退です。

 救急救命士国家試験の受騒資格を得るためには、救急救命士法第34条に定めると おり、いくつかのコースがあります。

 そのうち、同条第3号(医科大学)、第5案(外国学校)および附則第2条(経過 措置の特例)該当者以外の者については、修業年限の違いはありますが、文部大臣が 指定した救急救命士養成所(以下「学校養成所」)において、救急救命士として必要 な知識および技能を習得することが、受験資格を得るための条件となっています。

 これは、国家試験による判断だけでは、救急救命士の資格を与えるのに十分な能力 があるかどうかを判別することが困難なことから、カリキュラム、授業時間数、設備 、施設等一定の基準を満たす学校養成所を指定し、そこで必要な知識、技能を十分に 習得することを受験資格を得るための要件とすることによって、学校養成所と国家試 験を一体化した資格制度を採用することとしたものです。

 このシステムは、救急救命士のみでなく、他の医療関係職種の資格においても、同 様にとられています。

 救急救命士国家試験の受験資格を得るためには、いくつかのコースがある、という お詰をしましたが、法第34条第1号に該当するコース(高校卒業)を例にとってみて みましょう。

 本コースの養成所における教員の要件は、
 (1) カリキュラムの各科目を教授するのに適当な教員を有すること、
 (2) そのうち3人以上は医師、救急救命士又はこれと同等以上の学識経験を有する者 である専任教員であること、
 (3) 専任教員のうち少なくとも1人は、救急救命処置に関し相当の経験を有する医師 又は免許を受けた後5年以上業務に従事した救急救命士であること(平成10年4月1 日以降)。

 です(救急救命士学校養成所指定規則第4粂第1項第4号、第5号)。

 このように、救急救命士学校または養成所の教員について法律で定められているの は、専在教員についてだけ(他のコースについても同様)ですから、専任教員以外の 教員については、個々の養成所がカリキュラムを教授する能力があり、かつ適切であ ると認める者を採用するということになります。したがって、とくに新たに資格を取 得する必要はありませんので、個別に養成所に相談していただくことになります。


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